企業の最重要資産の1つは「評判」です。その評判を管理する企業ブランド戦略は、優れた人材を確保し、つなぎとめる点で特に重要です。有名投資家のウォーレン・バフェット氏曰く、「評判を築くは20年、失うは5分」。企業は現在の評判を管理し、良い印象を育むことが極めて重要です。

今回は、力強い企業ブランド戦略とそれを企業文化の一環として活用する方法をご紹介します。

高い評判が企業にもたらすもの

仕事を決める基準として給与だけが考慮される時代は終わりました。今や、より多くのプロフェッショナルが輝かしい評判を誇る企業との関係構築を望んでいます。 同時に、デジタル時代の到来により、格段の透明性が生まれ、現代の候補者は、オンライン上の情報をもとに希望の就職先を見極め、企業の評判を判断する下調べを容易に行えるようになりました。

力強い評判管理の育成

健全な評判を築くために現状を把握しましょう。顧客や従業員にアンケートを行うと、内外関係者の期待値および、その達成度の理解に役立ち、フィードバックから改善点を知ることができます。

企業ブランド戦略における従業員の役割

チームが、企業の良い評判を広めてくれるよう、ワークライフバランスの優先や、能力開発、刺激的なプロジェクトの機会など、競争力のある給与以外にも提供できることを検討します。チームのニーズを察して提供する企業としての評価を大切に。

評判の管理は費用節約にも。評判の悪さは離職率上昇のリスクとなり、採用のやり直しなどの追加出費につながります。

ウェブサイトで良い評判を広める

ウェブサイトは製品やサービスを売り込むだけでなく、従業員の価値を提案し、候補者を企業に呼び込む重要な場です。

「○○(企業名)の一日」として映像を載せ、従業員の姿から企業サイトで訴える価値提案が実現される様子を公開するのも一案です。従業員コメントなども載せると良いでしょう。

ソーシャルメディアを活用

ソーシャルメディアは効果的である反面、最悪の事態を招くこともあります。接続性が高い現代、従業員や顧客の否定的な投稿が急速に拡散し、企業ブランドを大きくそして長く傷つけるかもしれません。

ソーシャルメディアを掌握し、積極的に企業の評判を管理することで、オンライン上の評判維持の難易度が大幅に下がります。

誠実さを貫く

企業のブランド戦略には信頼が極めて重要です。誠実さを徹底しなければ、急激なイメージ低下もあり得ます。候補者は、保身より企業が潔く誤りを認める姿に誠実さを感じます。

企業のブランド戦略は人事の必須要素であり、計画的な評判管理が適切な人材を採用し、優れた人材を企業につなぎとめる事業の競争力維持に役立ちます。