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アジアでは、男女ともに雇用の機会は豊富です。しかし、職場における従業員の割合は、まだまだ男性の方が多く、特に経営幹部となると女性の割合は未だ少ないのが現状です。とはいえ、重要なポストに就く女性の数は、グローバルで年々増えており、日本でも様々な業界で女性の活躍が多く見られるようになってきました。

例えば、ファーストリテイリング傘下のユニクロで日本事業の最高経営責任者（CEO）に就任した赤井田真希さん、化粧品の製造販売を行う株式会社ポーラで代表取締役社長に就任した及川美紀さんなど、女性が初めて企業のトップに就任するケースも増えてきました。また、インテリア雑貨や食器、アパレル、コスメなどを取り扱うECサイト「北欧、暮らしの道具店」を開業した株式会社クラシコムの創業者・佐藤友子さんなど、女性起業家の活躍も目立ってきています。

組織で高いポジションに就く女性が増えてきている背景には、女性のエンパワーメント推進に関する企業や政府の取り組みなど、さまざまな要因が考えられます。日本政府は「2030 年までに役員に占める女性比率を 30％以上にする」という目標を掲げており、女性のビジネス進出に対する文化的な考え方を少しずつ変えていく大きな後押しとなっています。

アジアを代表する高級ホテルチェーンの「バンヤンツリーホテル＆リゾート」を展開するバンヤンツリー・ホールディングスの共同創設者であり上席副社長でもあるクレア・チャン氏は、「目的地にたどり着くためには、夢を見ていてはいけません。そのゴールに向かって、今、最初の一歩を踏み出すのです」と述べています。

チャン氏のアドバイスに加え、今回は女性のキャリアを成功へ導くためのヒントをいくつかご紹介します。

1. ベストなタイミングは「今」

インターンシップで働いている場合でも、エグゼクティブとしてキャリアに磨きをかけたい場合でも、目標設定や決断を後回しにするのはやめましょう。常に「なぜやるのか」を念頭に置き、目標の達成に向けて戦略的な計画を立てることが重要です。そして、たとえば、上司に今より責任のある仕事をしたいと申し出る、関連のあるトレーニングや講座を受講するなど、自ら積極的にキャリアの向上に必要な行動を起こしましょう。

また、定期的に自分の現状やパフォーマンスを見直し、コンフォートゾーンに長く留まらないよう心がけることも大切です。コンフォートゾーンに長く居続けると変化が怖くなり、そこから抜け出すことが困難になります。すると、成長が停滞し、次のアクションを起こすことが難しくなります。

新たな行動を起こして次のステップへ進む時には、誰もが不安や戸惑いを感じます。しかし、常にベストなタイミングは「今」と心がけ、決断や行動を後回しにしてタイミングやチャンスを逃さないようにしましょう。

2. 自信を持つ

ビジネスで成功を収めている女性たちには1つの重要な共通事項があります。それは、自分に自信を持っているということです。彼女たちは、きちんと自分の意見を述べることができ、強い意志とユニークな視点を持ちながら、常に改善の余地を模索しています。自分の能力を活かして組織へ貢献することに熱心であり、上司との面談や人事考課の際にも堂々と発言し、達成した成果に基づいて昇給や昇進を遠慮なく求めることができます。目標を達成するためには、力強く、自信を持ちながら、優雅に行動しましょう。

3. サポートネットワークを活用する

女性は人間関係を大切にする傾向があるため、メンターや管理職になることが成長につながりやすいと考えられています。自分が勤める企業に、女性向けの協会やグループがあるか調べてみましょう。もし、そういったネットワークがまだ存在しない場合は、自らグループを提案することも検討してみてください。あなたが自ら率先して変化を起こすことで、多くの女性社員に利益をもたらすことになるかもしれません。また、こういったネットワークに参加することで、組織内で発言力を持つことができ、他の人を指導する機会にも恵まれます。

すでに管理職やリーダーの立場にある人は、キャリアップを目指す従業員に対して、必要なリソースをしっかりと提供しましょう。従業員がリーダーシップやマネージメントのトレーニングに安心して取り組める環境作りが大切です。

4. ジェンダーバリアを打ち破りチャンスに変える

残念ながら21世紀になっても、職場におけるジェンダーステレオタイプや性差別は依然として残っているのが現実です。働く女性の多くは、その立場に関わらず、何らかの男女不平等を受けた経験があるでしょう。他人の考えや行動をコントロールすることはできません。しかし、こうしたネガティブな出来事を、自分の能力を証明するチャンスと捉え直すことは可能です。一見、障壁としか思えないような出来事にもチャンスを見出すことが、リーダーとして高い地位につく女性エグゼクティブの特徴です。彼女たちは、どんな時でも常に目標を明確にし、粘り強く、決意と努力で批判を覆します。

性別、年齢、役割に関係なく、成功に必要な要素は常に同じです。賢く考え、懸命に働き、謙虚にふるまい、自分の強みをすべて生かしましょう。そうすれば、いずれ自身のキャリアゴールを達成することができるでしょう。機会均等な雇用主は、男女に関係なく、このような従業員の働きぶりに敬意を払い、相応しいチャンスを用意するものなのです。