ここ数十年の間に、職場の女性は大幅に増加しました。 2017年のピュー研究所のレポートによれば、現在、米国、カナダ、日本、オーストラリアなど多くの国で、女性は労働力の40%以上を占めています。

しかし、本当のジェンダー平等は簡単には実現しません。国連の最近の報告によれば、女性はまだ、求人市場に参加することが少なく、不安定な雇用状況にあります。

職場におけるジェンダー平等は、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の重要な目標です。2018年の国際通貨基金(IMF)の調査では、職場の女性を増加していただくと生産性と経済成長率を向上させることが実証されました。

では、ビッグキャリアを目指す女性に対して、同じ女性からはどんなアドバイスがあるでしょうか? どんなトレンドや課題があるのでしょうか? 「国際女性デー」を記念し、ここでは、アジア太平洋地域で働くロバート・ハーフの女性幹部の意見をご紹介します。

  • ミーガン・アレグザンダー、ニュージーランド のゼネラルマネージャー
  • ニコール・ゴートン、アジア太平洋地域のストラテジック・アカウントのディレクター
  • 駒井紀子、日本ロバート・ハーフテクノロジーのシニアディビジョンディレクター
  • エレノア・ラム、香港ロバート・ハーフの財務・会計のアソシエイトディレクター
  • メリッサ・ラウ、香港テクノロジー・金融サービス業務のアソシエイトディレクター
  • ファニー・タン、中国、北京ロバート・ハーフのマネジングディレクター
  • フェン・テオ、シンガポール ロバート・ハーフの財務・会計および金融サービスグループのアソシエイトディレクター
  • アマンダ・ウッドフォード、オーストラリア のオフィスチームのバイスプレジデント

過去5年間で職場にどんな前向きな変化が見られましたか? 最も顕著な例を挙げてください。

働く場所を柔軟に選択できるようになりました。ワークライフバランスと従業員の福祉が重視されるようになり、働く母親たちが、親としての責任と、管理職を含む職場での責任の両方を果たすことが可能となりました。テオによれば、この結果、シンガポールでは、最高責任者レベルおよび取締役レベルの女性が増えています。

ゴートンは、職場の女性に関する啓発や活動も増えていると語っています。「相互の尊重とサポートは、仕事への意欲と業績を高めます。職場の多様性を高めるため、人材採用の方法を見直す企業も増えています。」

求人用の職務内容に女性にとって魅力的な要素が増えていると感じますか?

ゴートンは、育児休暇、フレックス勤務、在宅勤務などの待遇が増えていると語っています。それほど目立ちませんが、子供が新しい環境に慣れるまで時間や精神的なサポートが必要だった母親たちのための「復職」ポリシー設置も重要な要素です。

ラウは、「香港では、家族のために退職した女性従業員の再雇用に力を入れている企業もある」と語っています。

職場の女性が出世する方法はありますか?

他者より秀でるには、コンフォートゾーンから抜け出す必要があるという点で、ロバート・ハーフ女性幹部の意見は一致しています。これには、ためらわずに率直に話し、自己主張することも含まれます。思考の透明性が、意図や目的をより明確に示すからです。

「自分が主導権を握っていることを忘れずに。常に前向きに考え、自分を成長させるために何か新しいことができないか考えることが大切」と、アレグザンダーはアドバイスしています。

働く女性が増えるよう、今後5年間で職場にどのような変化を期待しますか?

技術のさらなる進歩で常につながることが可能となれば、パートタイムやフレックス勤務でも女性がキャリアアップする機会が増えるのではないかとウッドフォードは考えています。

「子育て中の女性が早く仕事に復帰すれば、人材不足の解消にもつながります」と、テオはシンガポールのトレンドを指摘しています。ラムは、香港でも同様に、フレックス勤務と年次休暇の増加によって多くの女性が仕事に復帰すると考えています。

アレグザンダーは、次のように考えています。「新しい世代が管理職になり、古い考え方がなくなれば、柔軟性と多様性のトレンドがさらに加速するはずです。次の段階は、多様性を受け入れ、組織全体に組み込むことです。」

駒井は、次のように語っています。「職場の女性を増やすため、柔軟性を高めようとする企業が増えると思います。日本では、従業員に託児サービスを提供する企業もあり、このサービスを要望する女性が増えることを期待しています。」

人事マネージャーが採用ポリシーにおいて多様性を重視している傾向は見られますか?

ゴートンは、次のように語っています。「多くの取引企業は、雇用比率または割り当てポリシーを採用し、少数グループの採用という点で従来よりはるかに多様性を支持しています。成果が目に見える戦略を持ち、それに対応するポリシーを実践することが不可欠です。」

「より多くの女性候補者を面接・選考の対象とする企業が増えているのは、多様性に向けた前向きな変化だと思います」と、駒井はコメントしています。

アレグザンダーは、企業が職場の女性および多様性のあるチームのメリットを認めつつあると考えています。「多くの文化が混在するオークランドでは、確かにその傾向が見られます。」

これまでに受けた最高のキャリアアドバイスは何ですか?

アレグザンダー:「自分を信じて。自分の限界を決めないで。」

テオ:「自分のキャリアは自分で決める。他人にはできないのだから!」

ゴートン:「傍観しないで自分で行動を起こす。これは人生のどんな場面にも該当しますが、職場では特に、間違っていると思ったときは、声を上げることが重要です。自分が直接関与していないときも。」

タン:「コンフォートゾーンから出ることができれば、他者より秀でることができる。」

ラウ:「速く行きたければ独りで行け。遠く行きたければ一緒に行け。」

ロバート・ハーフでは、すべてのプロフェッショナルが職場での幸福を追求することを奨励しています。職場での幸福が何を意味するかは、集団によって異なりますが、アジア太平洋地域のリーダーは、従業員に誇りを持ち、感謝、公正、敬意に満ちた職場づくりをアドバイスしています。

2019年、ロバート・ハーフは、男女平等およびジェンダー報告における透明性への取り組みが評価され、ブルームバーグの「2019年男女平等指数(GEI:Gender-Equality Index)」に選ばれました。多様性の推進によってフォーブスの「2019年多様性における最優秀雇用主(Best Employers for Diversity)」にも選ばれています。また、ジェンダー平等を推進する国連グローバル・コンパクト(UNGC)および女性のエンパワーメント原則(WEPs)に署名しています。