転職メリットとデメリットを考えると、同レベルの職種への転職は今のあなたにとって賢明な選択肢でしょうか。転職に悩むあなたに、次の質問を自問してみることをお勧めします。
転職に悩むとき、現状を打破したい思いが強ければ強いほど、転職のメリットばかりに目が付くものです。果たして転職にデメリットは無いのでしょうか?
上海をはじめアジアの多くの都市で、同レベルの職種への転職こそがキャリアを前進させるベストの方法だったというプロフェッショナルが増えています。今の会社で昇進が見込めないため、別の会社の似たような職種へ転職し、多少の肩書きの変化と、あったとしてもごくわずかな昇給を受け入れる。その代わりに、このチャンスにかけることで何かキャリアの突破口が見つかることを願うというタイプの転職です。
ただし、このような横方向の転職は、必ずしもリスクがないわけではありません。同じレベルに留まるばかりになって、年俸や肩書きや職域という点で上昇できなくなってしまうかもしれません。でも、このチャンスを追求しなければ、今の会社からずっと動けなくなる可能性もあります。
同レベルの職種への転職を考えている方には、以下の質問を自問して転職のメリット・デメリットを自分の状況で測ってみることをお勧めします。
- この転職で真の変化が訪れるのか?
横方向の転職をしたからといって、今の仕事と次の仕事がまったく同じということはまずないでしょう。その違いが意義ある仕事や興味をそそる仕事であれば良しと言えます。でも、転職が基本的に降格や同等の責任を意味するのであれば、かえってデメリットになってしまわないでしょうか。新しい知識やスキルを習得できて、個人的な成長に役立つような転職先を見つけるべきです。
- その後のキャリアの展望は?
最終的な答えを出す前に、転職を考えている会社の組織構造を理解することです。同じ上司に何人もの中間管理職が付いていて、そのうちの1人として入社するのであれば、上司のポストを狙う大勢の昇進競争に参加することを意味するかもしれません。次のステップアップとして考えられる職種が直属の上司のポストなのであれば、その上司が辞めないかぎり自分に道は拓けないということはありませんか? キャリアを前進させる可能性が今の会社と同じぐらいというのであれば、その転職にメリットは無いかもしれません。
- 短期に昇給が見込めるのか?
転職時点では今の仕事と比べてあまり収入アップが見込めなくても、年1回の査定を待たずに報酬の見直しを要請できるかもしれません。転職前と転職後の職種が似ているのですから、必要なスキルと経験はすでに持ち合わせていて、トレーニングの必要な他の人材よりもすぐに即戦力として会社に貢献できる可能性があります。この学習曲線が短い(またはない)という事実が、昇給の資格を早期にもたらすかもしれません。
最後に、キャリアの中であまりにも何度も横方向の転職するのはデメリットにしかなりません。同じレベルの役職しか提示されないというのであれば、転職に悩むのをやめて自分のスキルを見直す時かもしれません。さらなるトレーニングや教育を積んで、プロフェッショナルとしての歩みに駆動力をつける必要があるかもしれません。