重要なプロジェクトに対応するために、最近新しく従業員を雇用し、今後も採用を続ける予定の企業は、これまでに経験したことがなかった問題に直面しています。新型コロナウイルス感染症の流行によりマネージャーを含む多くのスタッフがリモートワークをしている場合、どのようにすれば新しい従業員を会社に迎え、適切なオリエンテーションを行うことができるでしょうか?
オンボーディングは、企業が実施すべきかどうかを選択できるものではありません。新しい従業員が担当業務の基礎を学び、企業文化について理解することを支援し、業務を遂行するために必要なツールを確実に揃えるために重要な手段です。企業によっては、従業員全員が会社へ出勤して勤務していたときでさえ、うまくオンボーディングプロセスを進められなかったケースもあります。
チーム全員がリモートワークをしている場合でも新しい従業員のオンボーディングは可能です。リモートでこの重要なプロセスを行うためのポイントをご紹介します。
1. 適切なテクノロジーに投資する
リモートワークをする新規従業員に対し会社からノートPCや携帯電話などのオフィス機器を支給する場合があります。こうしたアイテムは、業務開始日よりも前に付与するようにします。
メール、ウェブキャスト、コンテンツに簡単にアクセスできる社内ツールなどのテクノロジーを活用することは重要ですが、業務開始日にすべてが適切に設定されていない場合もあります。業務開始日から新しい従業員が、コミュニケーションのための適切なツールを持ち、アクセスできるようにすることが、最優先事項です。
新しい従業員は、オンボーディングプロセスを実施する担当者とコミュニケーションをとることが多くなります。これは新規従業員が所属することになるチームやそのメンバーにとって、日々行っている日常業務を中断させずにオンボーディングプロセスを担うことが難しい場合があるからです。リモートでオンボーディングを行うことは、この問題をさらに難しくします。なぜならリモートワーカーにとって、同僚やマネージャーと対面で会うことなしに信頼関係を構築していくことは難しいからです。この問題に関しては、Skype for BusinessやZoomなどのビデオ会議ソフトウェアを効果的に活用することが、理にかなった解決策となります。
2. 現実的な目標を立てる
リモートワークを希望する多くのプロフェッショナルは、非常に働き者で独立心が強い人が多いです。そのためリモートワーカーは、自分の存在を示すために努力し続ける必要があると感じることがあるかもしれません。結果、人によっては燃え尽き症候群となったり、認められようと行った努力が評価されていないと感じたりする場合もあります。
こうした問題を防ぐためにマネージャーは、新しい従業員のために業務開始時から本人に適したスケジュールとタスクを設定しましょう。自分が何を期待されているかを理解できたリモートワーカーには、活力を取り戻す余裕が生まれ、より有意義な方法で作業に取り組めるようになる傾向があります。
3. 助け合うチーム文化を奨励する
企業が複数のロケーションで操業している場合は、新規従業員に対し、部署で主要な決定を下す人や、一緒に働く可能性がある同僚を紹介しておくとよいでしょう。
バーチャルのチーム会議にリモートワーカーを招待することは、リモートワーカーに「自分はチームメンバーとして認められている」と実感させることができる素晴らしい方法です。さらにチーム会議を通じて、チームメンバー同士がどう交流しているか、一日の流れがどんなものであるか、どのように会社が動いているかなどについて、リモートワーカーは貴重な洞察を得ることができます。さらにZoomやFaceTimeを使用して面談することができるメンターをつけることで、新しい従業員の能力開発を支援する会社の姿勢を示すことができます。そして新規従業員とメンターがお互いを知る機会を得て、素晴らしいパートナーシップを築くことができます。
4. コーチング計画を立てる
マネージャーは新しいチームメンバーと関係を構築する機会を早期に活用し、会社とチームがどのように組織されているか、新メンバーが理解できるように支援します。また定期的かつ頻繁に連絡をするよう心掛け、新しい従業員の様子を常に確認しましょう。
新しい従業員は問題を抱えていても、能力があるように見せたいがために、口には出さない場合があることに注意をしてください。リモートワーカーに「はい」か「いいえ」では回答できないオープンエンドの質問をすることで、混乱していないかどうかを見極め、正しく理解できていることを確認するようにします。新メンバーからの質問に回答するため、週次会議を計画し、仕事に関する期待事項についても深く話し合いましょう。また会社やチーム文化についてさらに話をし、新規従業員の優先事項と目標についても話すようにします。
従来の職場での勤務に慣れている人には、リモートワークは簡単なことではないかもしれません。そのためマネージャーは、新しい従業員が初日から確実かつすぐに仕事に全力で取り掛かることができるようにする必要があります。見通しが不透明なときには、コミュニケーションの取りやすい環境を整え、従業員が質問を挙げることができ、それに対するフィードバックを提供する機会を設けることが、ますます重要となります。リモートワーカーは「自分は会社・チームと繋がっている」と感じることができると、やる気を持って、ポジティブで目に見える貢献をもたらすことができるようになります。