人事考課はマネジャーやリーダーの重要な役目です。従業員の業務に対する姿勢、貢献度、業績、能力などを査定し、賃金・昇進等の人事処遇へ反映する必要があります。従業員の行動や業務態度を「判定」することに慣れていない、若しくは従業員を一定の基準で査定しにくいと感じる方が多いかと思います。
しかし実際のところ、目的は客観的にパフォーマンスを評価し、改善点をフィードバックすることにあります。
人事考課を実施することは生産性や強いチームを確かめる上で効率的で、パフォーマンスマネジメントにおいても役立つ手法です。単に従業員の人事処遇を決定する為ではなく、企業が目指す方向性を示し、従業員に求めるものを可視化し、風土を形成していくことが目的です。 一般的な評価面談では従業員が何を求められているのかが分かります。成果が良くない従業員をコーチング・改善点を指摘し、成果を上げた従業員には業績を認知・称賛し、マネージャーと従業員の間で頻繁にコミュニーケーションをとることが大事です。
人事考課を行うことで、従業員の困惑・不快感といったネガティブ要素を払拭し、公平な査定で企業離れに繋がらないように注意が必要です。 では、どのように進めていったらよいのでしょうか。
どのように人事考課を実施するのか
① 明確で的確な基準を定める
目標設定のポイントとして、具体的且つ明確で個人のレベルにあっていて・期限があり・達成する為の方法が具体的なことを踏まえて、「組織と個人の目標をリンクさせる」ことです。一定の基準があることで、従業員にとってどのように目標を達成していけばよいのかが明確になりモチベーションアップ、マネージャーにとって円滑にパフォーマンス評価が可能になります。この時にMBOまたはOKRを用いて評価基準を定めることを推奨します。
② 評価面談の頻度を決定
四半期に一度若しくは、半年毎といった企業が多く見受けられます。年二回が一般的な回数です。
③ 継続的に従業員を評価
例を挙げたり、ランク付けしたりメモを残しておくと評価が容易になるでしょう。
④ フィードバック
第三者からのフィードバックを求めたり、従業員自身で自らの業務に対する評価をして貰いましょう。考課は「業績考課」「能力考課」「情意考課」の観点から行われ、これらの観点から評価できるよう意見を求めるのも手です。
⑤評価に対する説明
従業員に対しての評価がでたら、その評価に対して理解を得る場が必要です。業績評価を伝えると共に、どんな行動がどう評価されたのか、また課題は何かを合わせて話し合います。
人事考課における要点
考慮すべきポイント：
<査定前>
- 人事考課の理解を深め、評価対象期間を設定します。
- 従業員同士の比較をせず、あくまで個人の業務評価に限定します。組織で統一された一定の査定基準を用いてスタッフの評価をします。
- 事前連絡することで、スタッフ各自も準備ができます。業務に対する自己評価を提示し、今後の人事考課の評価に反映されます。
- 評価面談で話し合う点を洗い出し、またネガティブ意見に対する従業員のリアクションへの対処法も検討します。
- 面談の場所を決定し、お互いに気持ちよく話し合いが出来るようにします。
<面談>
- まずポジティブな面（評価されたポイントや自身の強み）に関して伝えた後に、ネガティブな面（改善するべき課題）と今後どうしたらよいか一緒に話し合います。今後の具体的な実践内容が決まったら、次の新しい目標を立てます。
- 今回の評価についての質問を受け付けます。評価のギャップがないか確認し、評価への合意をとります。不明瞭な点がないように配慮が必要です。
- 誠実な態度で面談に臨み、不信感を抱かせないようにしましょう。従業員が定かでない点があれば具体的な例を上げて理解を促しましょう。
- 防御行動、言い訳、コミットメントにつながらないネガティブ要素をマネジメントしましょう。
<査定後>
- 従業員のポジティブ（業績の良い）な面に焦点を査定後あて、良い業務姿勢、士気を高め、生産性やモチベーションを高めます。
- 改善点を洗い出し、今後の抱負とする。
- この面談で不明確なこと、評価に対して理解を得られなかった場合は新たに面談を設定します。
どのように人事考課準備をしたらよいか
人事考課は適切で正確な判断が必要となり、マネージャーとしてマネジメントスキル向上、チームに必要な訓練を定め、従業員との信頼関係を築く絶好の機会ともなります。 スタッフの効率性を重視し、的確かつ具体的に改善するべき課題をフィードバックしましょう。
的確で具体的な目標を設定することで、より明確に個人の達成目標が定まり、社員のモチベーションの向上に繋がります。そしてチームや組織内の生産性が上がり、効率が高まります。
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