初めて転職する人は、職務経歴書の書き方に悩んでしまうのではないでしょうか。履歴書とは違い、より具体的に自分の経歴やスキルをアピールする必要があります。本記事では、職務経歴書の書き方とテンプレートと例文を紹介します。
また、職務経歴書を提出する際のマナーも解説しますので、参考にしてください。
職務経歴書とは、経歴やスキル、職務内容などの詳細を記載する応募書類です。履歴書に書ききれない内容を補うための書類で、基本的には履歴書とセットで提出します。企業によっては「履歴書のみ」と指定される場合もあります。
職務経歴書は履歴書に付属するものです。履歴書が応募者の基本情報であるのに対し、職務経歴書は職務の具体的な内容を示します。そのため、記載項目とフォーマットがそれぞれ異なります。
職務経歴書では住所や連絡先などの個人情報は記載せず、職務経歴や職務内容、実績、スキル、自己PRなどを記載します。職務経歴書と履歴書の記載する主な項目は、以下の通りです。
職務経歴書で記載する項目
| 履歴書で記載する項目
|
- 表題
- 記載年月日
- 氏名
- 職務経歴の要約
- 活かせる資格・知識・スキル
- 勤務先の情報
- 職務経歴・職務内容・実績
- 自己PR
| - 記載年月日
- 個人情報(氏名・生年月日・住所・連絡先・性別)
- 資格・スキル
- 志望動機
- 自己PR
- 学歴・職歴
- 趣味・特技
- 本人希望欄
- 顔写真
|
履歴書はフォーマットに合わせて書きますが、職務経歴書は決まったフォーマットがなく、アピールポイントに合わせて好きなように作れます。記入欄の制限がないのは、職務内容や実績を具体的に説明できるようにするためです。職務内容の書き方には、「編年体形式」「逆編年体形式」「キャリア形式」の3種類あります。後ほど詳しく解説します。
職務経歴書で記載する内容は、以下の6項目です。
表題・記載年月日・氏名
職務経歴の要約
活かせる資格・知識・スキル
勤務先の情報
職務経歴・職務内容・実績
自己PR
それぞれについて見ていきましょう。
表題の「職務経歴書」は文字のポイントを大きくし、太文字にしましょう。記載年月日は、西暦・和暦のどちらでも構いません。職務経歴書内で統一して使ってください。氏名は、姓と名の間に1マス空白を開けます。基本的にふりがなは必要ありませんが、難しい漢字や読みにくい名前の場合は( )で読み方を入れても良いです。履歴書と違い、住所や連絡先の記載は不要です。
表題の「職務経歴書」は文字のポイントを大きくし、太文字にしましょう。記載年月日は、西暦・和暦のどちらでも構いません。職務経歴書内で統一して使ってください。氏名は、姓と名の間に1マス空白を開けます。基本的にふりがなは必要ありませんが、難しい漢字や読みにくい名前の場合は( )で読み方を入れても良いです。履歴書と違い、住所や連絡先の記載は不要です。
職務経歴の要約では、これまでの職歴を端的にまとめます。職務経歴書の冒頭にあたる部分ですので、採用担当者に興味を持ってもらえる内容にまとめることが重要です。内容次第では、この後の項目を見てもらえない可能性もあるので、注意しましょう。
上記の例文のように、自分の実績や何に力を注いだのかを重点的に伝えます。この際に、具体的な数値を用いると、イメージしやすいため効果的です。すべての経歴を羅列するのではなく、募集先と関係がある仕事内容をアピールしましょう。
活かせる資格・知識・スキルでは、取得した資格や免許などを記載します。中途採用では、即戦力となる人材を求めているため、入社後にすぐに活用できる資格やスキルを記載しておくのがポイントです。基本的に資格やスキルも、応募先の仕事内容に関係ないものは記載する必要がありません。
資格を持っていない場合は、WordやPPTなどのパソコンスキルや、使用したことがあるビジネスツールを記載しておきます。語学は英語以外の言語が使えるのであれば、資格試験を受けていなくてもアピールになるかもしれません。なにも記載しないのは、マイナスの印象を与えてしまうため避けましょう。
勤務先の情報には、現在勤務している会社名や在籍期間、従業員数、売上高、所属部署などを記載します。年代別に業務内容を書くときは、古い順でも新しい順でも構いません。職務経歴書内で統一しておきます。応募先は応募者がどのような会社で働いているのかを知ることで、これまでの働き方や転職理由をより明確にします。
職務経歴・職務内容・実績では、職務経歴の要約を基に、勤務先ごとに具体的に説明します。記載内容は、会社名、在職期間、役職名や役割、業務内容や実績です。業務をする際に工夫した点や改善点などを、数字を用いて書き出します。
履歴書のようにすべての経歴を書くのではなく、アピールできる経歴だけに絞って伝えてください。
自己PRで自分のスキルや経験などの強みをアピールします。入社後に自分の強みがどう活かせるのか記載しましょう。例のような箇条書きの他、全体を文章でまとめる方法もあります。
自己PRの書き方については、こちら「【自己PR】履歴書での書き方や面接での話し方を例文付きで解説」で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
職務経歴書には、職務経歴の書き方に「編年体形式」「逆編年体形式」「キャリア形式」の3つがあります。どの形式も職務経歴の要約・職務経歴・資格やスキル・自己PRを書くことは共通していますが、職務経歴の記載部分が異なります。自分のキャリアやアピールしたい内容に合わせて選びましょう。
編年体形式は、職務経歴を時系列に沿って紹介します。履歴書と合わせて読みやすく、とくに転職回数が少ない人や社会人経験が浅い人におすすめの形式です。
逆編年体形式は、編年体形式の逆で、最新の職務経歴から年代をさかのぼって紹介します。転職回数の多い人や、現在の業務と近い仕事に応募する人におすすめです。
キャリア形式は、時系列で紹介せず、業務内容ごとに職歴をまとめる形式です。自分のスキルや実績を具体的にアピールできます。業務内容ごとに勤務した会社名をまとめる方法や、会社名は書かず業務に関わった年数のみを記載する方法もあります。転職回数の多い人や、その業務に特化したスキルがある人、多くの実績を残した人におすすめです。
好印象を得られる職務経歴書にするには、以下の6つのポイントを意識してください。
職務経歴書は、基本的にA4用紙1~2枚程度でまとめましょう。各項目の分量に決まりはありませんが、あまりにも長すぎると採用担当者の負担になってしまいます。自分のアピールしたい項目はボリュームをつけ、他の項目は簡単にまとめるなど、工夫しましょう。2枚以上ある場合は、ホッチキスではなくクリップで留めておきます。
一般的に職務経歴書は、パソコンのWordで作成します。フォントや余白を調節し、見出しをつけるなど読みやすさを意識しましょう。また、文章が長くなる場合は改行や箇条書きなどを上手く活用してください。
応募先が同業種・同職種ではない場合、専門用語は一般的な言葉に書き換えて記載しましょう。意味が通じなければ、せっかくのアピールも伝わりません。また、同業種・同職種であっても、自社で使っている言葉が、他社でもそのままの意味で使われているとは限りません。誰もがわかる言葉を使いましょう。
職務経歴書は、企業の求める人物像やスキルに合った内容にします。いくら強みであっても、応募先と関係ないものはアピールになりません。企業のホームページや採用ページを確認し、どのような人材を求めているか把握しましょう。
実績を伝えるときは、具体的な数字を用いることが大切です。「売上を伸ばした」と「売上を前年比の150%伸ばした」では、伝わり方が異なります。より具体的に伝えることで、採用担当者も応募者のことを理解しやすくなります。
面接では、職務経歴書や履歴書の内容をもとに話を進めるケースが多いです。職務経歴書に書いた内容を深堀りされるため、具体的なエピソードのあるものを選んで記載しておくと良いしょう。
また、職務経歴書に書いた内容を、しっかりと把握しておくことも大切です。職務経歴書と異なる内容をアピールすると、人物像がぼやけてしまう恐れがあります。
職務経歴書を提出する際は、以下の2つに注意してください。
職務経歴書を提出する前に、必ず誤字脱字や漢字ミスがないか見直しましょう。文字のミスは、注意力のない人だと思われる可能性があります。どれほどすばらしい経歴やスキルだったとしても、ミスが多いと説得力がなくなってしまうので注意しましょう。
より好印象を得られる職務経歴書にするには、転職エージェントに職務経歴書を添削してもらうことをおすすめします。自分だけでは気がつかないミスや思い込みをチェックしてもらい、魅力的な表現や伝え方などのアドバイスがもらえます。職務経歴書の添削が必要な人は、ご相談ください。
書類選考から面接までの期間が空いてしまったり、複数の企業に異なる内容で提出していたりした場合、面接までに提出した内容を忘れてしまうことがあります。
面接では、職務経歴書の内容を深堀りされることが多いため、どの企業にどのような内容の職務経歴書を提出したか思い出せるように、コピーをとっておきましょう。
職務経歴書を郵送やメールで提出する際は、ビジネスマナーを守りましょう。
メールで提出する場合は、送信する時間や送り方に注意しましょう。
基本的にメールを送るときは、企業の営業時間内に送りましょう。出社してすぐにメールチェックする人が多いため、営業時間の10分前くらいがおすすめです。深夜や早朝などに送ると「不規則な生活を送っているのでは?」と思われる可能性があります。現職の仕事があってメールを送るタイミングが合わない場合も、予約送信を利用して営業時間内に送るようにしましょう。
採用担当者は毎日、多くの職務経歴書や履歴書を受け取ります。職務経歴書や履歴書を「職務経歴書」や「レジュメ」のみのファイル名で送ると、採用担当者がファイル名を編集しなければならないケースが生じることがあります。そのため、ファイル名を適切に設定することで、相手の手間を省き、スムーズに管理できるよう配慮することが大切です。
自分の名前、提出日を含めてわかりやすい名前を付けましょう。このような工夫をするだけで、採用担当者に「わかりやすい」「配慮が行き届いている」と好印象を与えることができます。
例:
職務経歴書_山田太郎_20241119.pdf
履歴書_山田太郎_20241119.pdf
職務経歴書を郵送で送る場合、送付状が必要です。送付状の書き方や封筒について詳しく紹介します。
送付状は簡単なあいさつ文を記載したもので、ビジネスマナーとして必要です。送付状を付けることで、誰が何を送ったのか一目でわかります。送付状に記載する内容は以下の通りです。
日付
宛名(会社名・部署名・採用担当者名)
自分の連絡先・氏名
件名
前文・本文・結語
送付する書類名・枚数
A4用紙1枚にわかりやすくまとめましょう。日付は投函日が望ましいです。
前文は「拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」といったあいさつ文です。本文では「この度、〇〇掲載の貴社の求人を拝見し、△△に応募させていただきたく、応募書類をお送りいたします」といったように書類を送る旨を書きます。結語は、「ご査収いただけたら幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。敬具」のような終わりのあいさつです。「敬具」のみ、改行して右寄りに記載します。
送付する書類名の前には、中央に「記」と書きます。「履歴書 1部」「職務経歴書 1部(全2枚)」のように書類名を箇条書きし、最後に改行して右寄りに「以上」を入れたら完成です。
封筒は白か茶色の「角形2号」または「角形A4号」が好ましいです。A4用紙を折らずに入れられます。また、書類が折れたり濡れたりするのを防止するために、クリアファイルに書類を入れてから同封しましょう。クリアファイルに入れる順番は、上から「送付状」「履歴書」「職務経歴書」です。
封筒の表面に書く送り先は、「株式会社〇〇 採用ご担当△△様」と書きます。採用担当者の名前がわからない場合は「株式会社〇〇 採用ご担当者様」「株式会社〇〇 ◇◇部 御中」と書いても構いません。表面の左寄りに赤い字で「履歴書・職務経歴書在中」と記しておきます。裏面には自分の住所・氏名・郵便番号を記載しましょう。
転職活動を成功させる職務経歴書のカギは、「求人情報に合った経歴をアピールすること」です。中途採用では、即戦力となる人材を求めていますので、自分が入社後に貢献できることや応募先の求めるスキルを持っていることをアピールしましょう。
職務経歴書では、「この人と会って話してみたい」と思わせることが重要です。そのため、表現の仕方や文章の構成などがポイントになります。職務経歴書の書き方に不安な方は、転職エージェントを利用しましょう。
ロバート・ハーフでは、応募書類の添削から面接対応まで幅広くサポートしています。理想の企業と出会いたい方は、ぜひご相談ください。