プロジェクトマネージャーに向いてる人とは?特徴や求められるスキル、資格について徹底解説 | ロバート・ハーフ

プロジェクトマネージャーに向いてる人とは?特徴や求められるスキル、資格について徹底解説

ビジネストランスフォーメーション(BX) 採用ガイド 記事
プロジェクトマネージャーとは? プロジェクトマネージャーに求められるスキル プロジェクトマネージャーに向いてる人の特徴 プロジェクトマネージャーになるために資格は必要? まとめ
近年、気候変動やDX化、人口動態の変化に伴う経済の変化など、めまぐるしく時代が移り変わっています。日本においても労働力不足や働き方の多様化の影響により、企業は大きな変革を迫られています。そんな現場でビジネスを円滑に進めていくために、いま世界中でプロジェクトマネジメントの重要性が高まっています。 PMIが2021年6月に発表した「PMI人材ギャップ・レポート」によると、2030年までに世界中で2,500万人の人材ギャップが生じることが想定され、それを埋めるためには毎年230万人の新たなプロジェクトマネジメントの専門家が必要になります。 今回は、今後ますます需要が高まるプロジェクトマネージャーに向いてる人の特徴や、求められるスキルや資格などについて解説します。今後のキャリアパスを検討する上で、ぜひ参考にしてみてください。
プロジェクトマネージャーとは、プロジェクトの目標を効率的かつ迅速に達成するために、様々なマネジメントを行いプロジェクト全体を管理する仕事です。プロジェクトマネージャーというと、ソフトウェア開発などのプロジェクトをイメージする方が多いかもしれません。しかし、各企業におけるDX推進や労働力不足などを背景として、建設業や製造業などの分野でも幅広くプロジェクトマネージャーが必要とされるようになりました。   プロジェクトマネージャーには、具体的には以下のような役割、責任が含まれます。 プロジェクトに関わるメンバーや内部リソースの調整 プロジェクトの進行状況を管理し、必要に応じてタスクを調整 プロジェクトの納期管理 クライアントやステークホルダーとの関係調整 契約書の作成と承認 プロジェクトのレビューを実施し、レポートを作成 レビューに基づき改善を行い、プロジェクト全体の最適化   関連記事:ITコンサルタントやプロジェクトマネージャーの契約社員が増えている理由と背景とは?
プロジェクトマネージャーの仕事は多岐に渡るため、求められるスキルはさまざまです。以下では特に重要視されているものを5つ紹介します。   1. マネジメント能力 プロジェクトマネージャーに欠かせないスキルの1つ目はマネジメント能力です。 ひとくちにマネジメント能力といっても、さまざまな要素があります。まず、プロジェクト全体のミッションや目標をきちんと把握する必要があります。そして、その目標を達成するためにどれだけのリソース(ヒト、モノ、カネ)がどのくらい必要なのかを見極め、適切に配分します。 プロジェクトがスタートしたら、順調に進んでいるか進捗確認を行います。ここで求められるのは、権限を適切に委譲する「エンパワメント」です。エンパワメントとは「仕事を丸投げすること」ではありません。人材の適性や限界値を見極め、個々の特性や状況に適した権限移譲を行うことで、メンバーのモチベーション向上や、期待を超える能力発揮につながります。 マネジメント能力には、業務遂行能力も含まれます。具体的には、状況を的確に把握し、プロジェクト全体の進捗が遅れている場合は対策を打つなどの対応が求められます。クライアントの要求に沿った納品を行うために、リソースの再配分を行ったり、メンバーの業務効率を上げるために分かりやすい指示を出すことが求められます。 そして、上記のすべてを円滑にかつ問題なく進めるために欠かせないのが「調整力」です。異なる立場にある関係者とニーズや期待値をすり合わせ、全体的な調和を図りながら物事を采配するバランス感覚こそが、プロジェクトマネージャーに求められる最も重要な素養といえるでしょう。   2. リーダーシップ かつてリーダーシップとは、才能や性格に由来する属人的なスキルだと考えられていました。しかし、日本でもよく知られている経営学者ピーター・ドラッカーによると、リーダーシップは「仕事」であり、だれもが身に着けることができる能力です。そして、リーダーシップを次のように定義しています。 「リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立することである。リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者である」 プロジェクトの目標を定め、それを維持していくためには、メンバーからの信頼が欠かせません。リーダーシップは単なるテクニックではなく、ヒューマンスキルともいえるでしょう。   3. 問題解決能力 どんなに綿密に計画されたプロジェクトでも、進めていくうちにさまざまな問題が発生するものです。予期せぬ出来事によりプロジェクトがプラン通りに進まないときこそ必要なのが、問題解決能力です。 問題解決のためには、まず問題の本質を見極めなければなりません。実際に目の前で発生している状況だけに目を奪われず、その背後にどんな構造的な問題が潜んでいるのかを探ることが重要です。 また、問題は状況とともに変化します。発生したときに把握した状況に基づいて解決しようとすると、すでに手遅れということも考えられます。そのため、柔軟に、臨機応変に対応するマインドを持つことも大切です。   4. コミュニケーションスキル プロジェクトを円滑に進めるために欠かせないのがメンバーとのコミュニケーションです。プロジェクトマネージャー側から積極的にメンバー一人ひとりにアプローチし、どんな問題にぶつかっているのか、どんな不安を感じているのか対話することが重要です。また、指示を出したり、依頼したりする場合も丁寧に、相手の気持ちに配慮しながら、受け入れてもらいやすい伝え方を工夫しましょう。 プロジェクトマネージャーがメンバーとコミュニケーションをとる手段はさまざまあります。対面で話すだけでなく、ビデオ会議やチャット、メールなど、あらゆる手段を活用しましょう。文章でのやり取りでは特に表現に気を配り、適切なエンパワメントを意識しながら、相手のモチベーションを上げることで行動変容を促せるようなコミュニケーションを心がけましょう。   5. ロジカルシンキング 煩雑な工程が含まれるプロジェクトでは特に、状況を論理的に整理し、筋道立てて物事を考えるロジカルシンキングスキルが必要です。論理的思考力が強いプロジェクトマネージャーは、問題に直面した際に衝動的、直感的、感情的に解決するのではなく、落ち着いて必要な情報を収集し、的確に状況をつかみ、しかるべき対応をとることができます。それこそが、プロジェクトマネージャーに期待される大きな役割の1つです。   関連記事:身に付けるべき6つのプロジェクトマネジメント(PM)スキル
以下のような特徴を備えている人は、プロジェクトマネージャーに向いてるでしょう。   ・状況を客観視できる人 プロジェクトを進めるうえでは、さまざまな立場の人とのやり取りが発生します。その際に、プロジェクトマネージャーは、クライアントであれメンバーであれ、相手が何を求めているのか、何に困っているのか、伝えたい真意は何か、ということを瞬時に汲み取る必要があります。自分の主観ではなく、相手の立場になって考え、物事を客観的にとらえることができる人は、プロジェクトマネージャーとしての素養が高いといえるでしょう。   ・物事を具体化できる人 場合によっては、クライアントのニーズは抽象的です。プロジェクトの目的や最終的なゴールが曖昧なまま業務が開始され、メンバーが迷子になってしまう現場もあります。そんな時、クライアントの要求やアウトプットイメージを具体化し、段取りを整理できる人は、プロジェクトマネージャーとしての役割を十分に発揮できるでしょう。   ・責任感が強い人 プロジェクトマネージャーは、そのプロジェクトを完遂させる責任者という立場にあります。どんな問題が起こったとしても、最後までやり切るという強い意志を持てるかどうかが鍵となります。責任感とそれに伴う行動力がある人は、活躍が大いに期待できます。   ・コミュニケーションが好きな人 プロジェクトマネージャーは社内外でさまざまな関係者とやり取りしなければなりません。時にはプレゼンテーションをしたり、時には議論の進行をしたり。そして時には1対1の対話を通して意思疎通を深めていくことになります。人との会話や人前で話すことに心理的ハードルが低く、コミュニケーションが全般的に得意という人には、プロジェクトマネージャーは向いてる職業でしょう。   ・鈍感力がある人 プロジェクトマネージャーは、クライアントとメンバーの間に入り、様々な橋渡しや調整を行います。双方の要求や期待値をすり合わせるのに、板挟みになることはよくあります。そのようなストレスのかかる状況で、物事を俯瞰的にとらえ、相手におおらかな態度で接し、周囲を巻き込みながら統率していく力が必要です。そのため、細かいことにこだわらないある種の「鈍感力」があると、プロジェクトマネージャーとしてより活躍できるでしょう。
プロジェクトマネージャーの仕事をするのに資格が必要かというと、そうではありません。ただ、以下のような資格を取得しておくと、自分のスキルを証明することができるため、キャリアアップに有効です。   ・プロジェクトマネージャー試験 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が主催する資格試験で、システム開発プロジェクトの進行管理を担う人材を対象に実施されます。   ・P2M資格試験 PMAJ(特定非営利活動法人日本プロジェクトマネジメント協会)が主催する民間資格です。   ・PMP試験 アメリカのプロジェクトマネジメント協会「PMI本部」が認定する国際資格です。申請するためには実務経験が求められ、取得しても3年ごとに更新することが必要です。   関連情報:プロジェクトマネージャーにおける需要の高いスキルや給与を見る
プロジェクトマネージャーという職業に求められるスキルや、向いてる人の特徴について解説しました。企業にも急速に大きな変革が求められる現代では、あらゆる関係者をとりまとめ、ビジネスを遂行していくプロジェクトマネージャーは欠かせない存在です。需要が高く魅力的な仕事である一方、求められるスキルも多く、向き不向きがあることも事実です。自分はプロジェクトマネージャーに向いているか、今後目指していきたいと思うか、目指す場合はどのようなスキルを磨いていきたいか、ぜひ上記を参考に自己分析をしてみることをおすすめします。 プロジェクトマネージャーの求人検索はこちらから。