仕事でストレスを抱える要因は口うるさい上司や迫り来る納期以外にも分りにくい潜在的な要因が数多くあります。ストレスを完全に解消するのは不可能かもしれませんが、内に潜むストレス要因を特定して回避することで、日々を改善し、仕事のパフォーマンスを最大限に高めることができます。
以下に挙げるストレス要因が自分にも当てはまるか考えてみてください。職場のストレスに打ち勝つ方法をご紹介しましょう。
雑然とした状態
デスクが何色だったか分からないほど散らかっているのに、「自分なりの整理」が出来ていると常々説明しているあなた、残念ながらその習慣は改めるべきです。
散らかった状態を眺めているだけで、ストレスホルモンの分泌が始まることが、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究で報告されました。今の散らかり具合は、おそらく時間をかけて出来上がったものでしょう。でも、片付けるのにそれほど時間はかかりません。古い資料を捨て、必要になるかもしれないものはスキャンしてソフトコピーで保存し、文具類は引き出しに仕舞ってください。パソコンのデスクトップ上にある不要なアイコンやフォルダを整理することもストレスを減らす方法の一つです。
職場内の摩擦
同僚との人間関係は、仕事のやり方の違いや単にイライラすることなどが原因で悪化することがあります。周りに足を引っ張られているのではないかと感じていたり、同僚に常に気を遣わなければならない場合は、そのストレスの要因に対処することです。そうしなければ、やがては心身の健康が蝕まれ、仕事のパフォーマンスに悪影響が出てしまうでしょう。同僚は職場の頼れるサポートになりうるのですから、違いに囚われるのではなく、関係を修復する努力をしましょう。
その相手と個人的にとことん話し合う日を設けます。きちんと向き合うことを考えただけで気が滅入るかもしれませんが、敬意を持って率直に話すことができれば状況の改善に繋がります。そうすれば、両肩に圧し掛かっていた仕事のストレスが軽くなるでしょう。
ほかでもない、あなた自身
私たちの多くが「ストレスが溜まっている」というフレーズを会社で始終、使っています。でも、自分自身がストレスの原因になっていることもあるのです。ストレスの原因やきっかけは人によって異なりますが、より不安を感じやすい人や心配性の人も中にはいます。ストレスは、胃腸の不具合、不眠症、頭痛や湿疹といった肌のトラブルなど、さまざまな健康上の問題となって表れることがあります。このような健康上の問題が生じれば、間違いなくストレスのレベルをさらに高めてしまうでしょう。
上手く時間管理を行って、不安や心配を抱えすぎて自身の健康を損ねてしまう悪循環を回避するようにします。(少しぐらいの)間違いは学習の過程と受け止め、なぜこのキャリアを選んだのかをもう一度思い出してみましょう。一つ一つのタスクに集中し、無理して一度に多くのことをしようとしないことです。
同僚への嫉妬
ほかの人のような暮らしぶりができないからといって自分を卑下するのは不健全です。ストレスを感じるには値しません。同僚がどうしてブランドのバッグやスタイリッシュな新車を購入できるのかと常に考えていても、非生産的なだけで余計にストレスをもたらし兼ねません。
むしろ、真の満足感や幸福感を手に入れたいのならば、自分自身のキャリア向上には何をしなければならないのかを考えるべきです。他の誰のためでもなく自分自身のために、与えられたものに感謝して、目標に向かって一層努力することが大切です。
家族と過ごす時間が足りない
家庭はくつろぐことのできる聖域であるべきです。でも、多くの人は家に帰り着くと職場に残してきた仕事のことを考え、罪悪感に駆られます。また、親や配偶者、子供と過ごす時間を十分に確保できていないことにも罪悪感を感じるでしょう。これらのネガティブな感情は、いずれ精神状態に影響を及ぼして、ストレスを高めてしまいます。
罪悪感や後悔の念に苦しむくらいなら、会社で過ごす時間を短縮できるように努力すべきです。上司に相談し、今まで以上に上手く時間を管理できるよう工夫してみるか、一部の仕事を他の人に任せるなどしましょう。また、仕事のストレスは会社に置いて帰り、家では家族との真の「クオリティ・タイム」を過ごせるようにします。
このように、職場でのストレスに打ち勝つ方法を正しく理解することが日々の改善や職場での生産性を高めることに繋がります。