会社を辞めると決めたのであれば、後に残す仕事をスムーズに引き継ぐことが重要です。また、次のステップについて考える必要もあります。別の会社へすぐに転職する予定ですか?それとも、少し休みを取ってから、就職活動を始める予定ですか?将来の成功に向けて、計画を練る必要があります。その方法をご紹介します。

退職の際の引き継ぎはなぜ重要か

後に残される同僚にしてみれば、あなたが退職したからといって、あなたの担当していたプロジェクトが終わるわけではありません。退職後も業務に支障が生じないよう事前にあらゆる努力を講じることは、同僚への配慮として正しいことであるばかりでなく、あなたのキャリアにとってもメリットのあることです。

結局のところ、今の同僚といつかまたどこかで同僚になる可能性は大いにあるものです。良好な関係を保つこと、少なくとも円満に退職することは、ポジティブなレビューや良い評判を確保し、場合によっては推薦すら取り付けて、キャリアアップの強力な武器となる可能性があります。

もちろん、同僚があなたに期待することは、上司があなたに期待することとは異なるかもしれません。このため、確実に円満退職するステップを事前に計画すると良いでしょう。

上司のためのスムーズな引き継ぎ

上司に配慮するという点で最初にすべきことは、できるだけ早めに退職の意向を伝えることです。退職日の2週間前に会社に知らせることが義務付けられていますが、多くの場合は少なくとも1カ月前というのが慣習的です。

直属の上司と二人だけで話せるミーティングをできるだけ早く設定して、退職の意向を伝えます。この際には、とりわけストレスの高まる繁忙期に差しかかろうとしているか、あるいはその真っ最中かを考えます。できればタイミングを見計らって、あまり忙しくない時期にこの話をするのが良いでしょう。

できるだけ早めに上司に知らせることで、上司には後継者を見つける時間ができるだけでなく、あなた自身にも余裕ができ、担当のプロジェクトを大急ぎで終えるような状況にならずに済みます。あなたの担当業務は、退職日まであなたの担当であり続けるでしょう。また、次のようなことを申し出ることもできます。

  • 後継者を見つけてトレーニングする
  • 後継者が見つかり配属されるまで現職に留まる
  • 退職後も支援を約束する

上司が退職面談を希望するのであれば、率直に回答しながらも、ポジティブな雰囲気を保ちます。その会社に勤めていた間に深刻な問題を経験した場合、上司にそれを伝えるかどうかは、あなた次第です。ネガティブにならず建設的な角度から話す方法を考えなければならないでしょう。ただし、問題を指摘することが必ずしも適切ではなく、あなたにとってメリットはないかもしれません。判断力を働かせましょう。

また、退職を正式化するために取るべき具体的なステップがあるかもしれません。例えば、提出の必要な書類や出席しなければならないミーティングなどです。これは普通のことですが、手続きは会社の規定によって異なります。上司とのミーティングの際に、これらの詳細を確認します。

同僚のためのスムーズな引き継ぎ

退職の意向を上司に伝えた後は、同僚のことを考える必要があります。後を引き継ぐ人のために、よく整理され説明された引き継ぎの資料が必要になります。

引き継ぎ資料は、詳細であるほど役立ちます。担当しているプロジェクトについて考え、できるだけ多く情報を書き出します。毎日のタスクやプロジェクトのスケジュール、それぞれの注意点、あなたが経験した問題や課題、それらをどう解決したか、重要な連絡先、納期のカレンダー、関連する出来事などを、すべて説明します。ほかには、事務管理上の情報や連絡先、建物とオフィスに関する情報(事務用品やコーヒーの保管場所など)、技術的な問題が発生した場合のIT担当者への連絡方法なども記載しておけば役立つでしょう。

他の同僚と共有している責任は、すべて完了するようにします。時間が余ったなら、同僚に声をかけて、退職までの間にできることがあればすると申し出ます。

もちろん、最終日には、お礼の気持ちを伝えることも忘れてはなりません。ちょっとした贈り物を用意するのも慣習的です。高価である必要はなく、何か小さなもので十分です。日本では多くの場合、送別の小さな集まりが開かれます。挨拶の言葉を求められる場合に備えて、簡単なスピーチも用意しておくと良いかもしれません。

あなた自身のためのスムーズな引き継ぎ

退職することが決まったら、少し時間を取って、完了すべき事務的な手続きを確認します。これは、すぐに別の会社に転職する予定か、少し休みを取ってから新しい仕事を探す予定かによって異なります。また、海外で働いている場合はビザの状況に関してどのような法的な要件が課されるかも確認します。

この間に、レジュメに役立つ書類なども集めるべきです。クリエイティブな職種のキャリアを追求するのであれば、ポートフォリオに含めたい成果物があるかもしれません。この会社に勤めていた間に達成した特筆すべき成果や業績について考えてみます。できれば、必要に応じて許可を得たうえで、将来のために使えそうな成果物や書類の詳細を記録しコピーを取って、自分の目標を達成するために取ったステップも書き留めます。

さらに、直属の部下や顧客、同僚に紹介状や推薦状を書いてもらうことがためになるかどうか、適切かどうかも考えるべきです。LinkedInの短い推薦のように簡単なものもあれば、手書きの長い手紙のようなものもあります。どちらにしても、あなたの仕事ぶりの記憶が鮮明なうちに依頼するのがベストです。

もちろん、職場によって状況は異なります。引き継ぎをスムーズに行うために、他の会社では要求されないことが必要になることもあるかもしれません。判断力を働かせ、常に良心的に行動し、周囲の人からのリクエストにオープンであることです。これらのことに注意すれば、好印象を残して円満に退職し、すがすがしい気持ちで次なるチャレンジへと向かえるでしょう。

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