仕事探しにはストレスがつきものです。プレッシャーの中で一時的な衝動に押されて判断を誤ってしまうこともあるでしょう。そのような状況において、すでに伝えた内定辞退を取り消すことは可能でしょうか。
決断を間違えたことは残念ですが、こうした事態は実はそれほどめずらしいわけではありません。ただし一度断ったその状況を覆す、という点ではかなりハードルが高いことは確かです。
不可能ではないにせよ、面接官に「はじめ入社を渋った人物が現在もその職務に最適な候補者である」と納得してもらうことは簡単ではないことを認識しておいた方がよいでしょう。
内定辞退の連絡を丁寧に、礼儀正しく行う理由はここにあり
今回のような事態こそが仕事場で常に礼儀正しく振る舞うことが重要な理由です。特に辞退するときにはきちんとした態度で失礼のないように細心の注意を払って対応しましょう。あらゆる仕事関連のやりとりは社会人としてのネットワークを拡大させるための、心の通う関係を作る良い機会だと捉えることをおすすめします。
いったん辞退した内定を取り戻すことは難しいものですが、かつてその機会が自身に与えられた際に丁寧かつ感謝の気持ちを込めた対応をしておけば、もう一度話し合いに応じてもらう際の過程が少しは楽になるかもしれません。
取り消しを伝える適切なタイミング
判断の誤りに気づいた時点で早急に連絡を入れましょう。この場合は早ければ早いほど良く、遅くなるほど、次の候補者の手にその職が渡ってしまう確率が高まります。
どの程度の時間的余裕があるかは役職の重要度にもよります。この点はご自身の感覚と判断で見極めましょう。
まずはリサーチから
企業の担当者に再度連絡を入れる前に、その職が既に埋まっていないかどうか確かめましょう。決まっていた場合でも、次の募集機会に備えて面接時に築いた担当者とのつながりが途絶えないように心がけます。
面接官が決まったかどうかを調べる方法はいくつかあります。企業のウエブサイトがしっかりと運営されている場合は、求人情報が掲載されているかもしれません。調べてわからない場合は、遠慮せず企業に連絡を取り、既に決まっているかどうか確かめましょう。
連絡を取る際のアプローチについても考えおくことをおすすめします。重要な点は、「候補者としてもう一度検討してもらえるかどうか」です。
最も良い伝え方とその内容
状況の変化などにより、当初、内定辞退を伝えた理由が既に解決済みの場合には、面接官に直接連絡を取るのが最善策です。あらゆる場面でいえることですが、電話をかけて自分の口から直に伝えることに勝る方法はありません。直接話すことで、今回の決断が揺るぎないことや、詳しい事情を説明しやすくなるはずです。画面上では正確な意図が伝わらないこともありますが、電話なら誠意がより伝わりやすいでしょう。
状況や考えが変わったことを正直に伝えるとともに、先方から信じてもらえない可能性があることにも留意してください。当初の理由の如何によっては、快く再検討や再交渉に応じてもらえる場合もあります。そもそも企業はその職務に最適な候補者として面接時にあなたを選んだのであり、その時も、そして現在も、ご自身が候補者としての資格を備えていることには変わりがありません。
面接官にはこれ以上の心変わりが絶対にないことを約束してください。新しく採用しようとする人物の気が変わりやすいとあっては、企業の側の採用意欲もわきません。今回の決心が揺るがないことをきちんと示して、相手の信頼を取り戻すことが大切です。
取り消しについて、面接官の了解を得られるかどうかは様々な要素によるところが大きく、自身の力ではどうしようもない場合もあります。しかしその動機が明確で、撤回の理由を理解してもらうことができれば可能性が全くないわけではありません。特に当初の断り方が社会人にふさわしく、丁寧で相手を十分に思いやるものであった場合にはなおさらです。今回のことを良い教訓として、今後、内定をもらった際の判断、そしてその扱い方に活かすよう心がけましょう。