自分に合う仕事とは、どんな仕事なのでしょうか。転職は、その「答え」を探すための活動です。
自分の適性・適職を先に決めてから、その条件に合う仕事を「選ぶ」ことが転職活動だと考えている人がいます。しかし、私たちは、「選ぶ」前に、本当に自分に合っている仕事を「探る」というステップを忘れないでほしいと発信しています。
仕事の数は、この世に無限にあります。これまで輝かしい実績と経験を重ねてきたエグゼクティブ層やスペシャリストであっても、自身が携わってきた仕事は、ごく限られた分野のわずかな範囲なのです。
転職という道を選ぶ人たちは、必ずしも自分のスキルを100%活かしてステップアップしているわけではありません。同じ業界の別会社へと横方向にスライドするのではなく、関連業種のその先へと斜め方向のキャリアチェンジをしたり、未経験の新たな分野へとジョブチェンジしたりするなど、視野を広げて転職に臨み、新たな出会いをつかんで成功しているのです。
転職活動を通じて、自分の新たな一面や可能性を「探る」。そんな仕事の選び方をおすすめします。
「転職活動=出会いの場」とする、柔軟な選び方
誰しも最初は、未経験の分野に携わることを恐れるものです。「ゼロからのスタートができるだろうか」「自分に向いていない仕事を与えられるのではないか」と、さまざまな不安や葛藤を抱えます。これまで培ってきた業績やスキルに自信がある人ほど、転職するなら得意分野の仕事をしたい、自分の経験やスキルを活かして活躍したいという思いが強いことでしょう。
しかしこの思いが、ときに、採用側にとってネックになることもあります。
どんなにスキルがあったとしても、「一緒に働きたい」と感じられない相手を企業は選びません。「私は〇〇ができます」と、これまでのキャリアを明確に伝えることはもちろん大切ですが、企業はその人自身の仕事に対する熱量やビジョンなど、志(こころざし)の部分を共有できるかどうかで最終的に採用を決めます。
仕事の選び方のポイントは、自分の経験内でできるか否かに「こだわりすぎない」ことです。
「この仕事は、やったことがない」と感じたら、それは、自分の知らなかった一面に出会い、新しい強みをつくるチャンスかもしれません。頭と心を柔軟にして、転職活動にのぞみましょう。