昨今、人材争奪戦が激化する中、企業が優秀な人材を獲得するためには、給与だけではなく、福利厚生や各種制度が求職者が企業を選ぶ上で、大きな決め手となっています。
ロバート・ハーフの年収ガイドでは、優秀な人材が特に重視する福利厚生について詳しく解説しています。今後の自社の採用戦略の強化や、転職活動での条件交渉にご活用ください。
福利厚生と各種制度の動向
従業員は、柔軟な働き方やワークライフバランスをますます重視しています。オフィス勤務が再び注目される一方で、57.6%の社員がリモートワークを希望*しています。47.1%の企業では、働き方改革、残業対策、ワークライフバランスの重視といった取り組みを継続して採用しており、従業員リテンションの強化、離職率の低減に取り組んでいます。**
日本社会が少子高齢化に伴う労働力不足に直面する中、社員のスキルアップを支援するリスキリングがますます重要になっています。一方で、企業側は、まだ十分なプログラムを提供できていないのが現状です。
さらに、多様な人材が活躍できるインクルーシブな職場づくりを目指すDEIの取り組みも注目をされています。女性、外国人、シニアなど、様々な背景を持つ人材を積極的に受け入れることで、競争の激しい人材不足の市場における優秀な人材の確保につながるでしょう。
従業員が求めているのは柔軟性とハイブリッドな働き方
多くの企業でオフィス回帰が進んでいますが、柔軟な働き方も引き続き重視されています。最近の調査では、従業員の33.9%*が最低週3日はリモートワークを行っています(2024年4月から5.9ポイント低下)が、57.6%は今後も自宅で仕事をしたいと回答しています。 59.2%は休暇制度を重視し、34.2%は週休3日制を支持しています。ポストコロナ時代に競争力を保つためには、柔軟性が重要だと言えます。**
進化する労働市場ではリスキリングが成功のカギ
政府は、人材不足に対応するため、リスキリングに力を入れており、過去5年間で1兆円もの予算***を投じています。しかし、企業のリスキリング支援体制については、十分だと回答した労働者は17%**と少数にとどまり、29.5%が不十分だと感じていることが明らかになりました。また、31.6%の労働者がリスキリングの必要性を認識している一方で、実際に取り組んでいるのは18.2%と、認識と行動の間にギャップがあることが示唆されています。リスキリングは、雇用主と従業員の双方にとって競争力を維持するカギといえます。
日本の成長と競争力維持にはDEIが不可欠
人手不足が深刻化する現代において、ダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包摂性)を意味するDEIは、企業にとって極めて重要な要素となっています。
性別、国籍、年齢など、さまざまな背景を持つ人材を積極的に採用し、活躍できる環境を整えることで、企業の成長率を2.1%、従業員の給与を3.7%向上させる可能性があるという研究結果****も出ています。また、転職を検討している人の70%がDEIを重視している *****という調査結果もあり、DEIを推進することは、優秀な人材の確保と定着に大きく寄与すると考えられます。