優秀な人材や組織の目標を管理することは企業の成功に欠かせません。従業員が共通の目標を認識し、自主的に組織全体の目標を達成しようと業務を遂行することが必要です。
これらを管理するには様々な方法がありますが、「ゴール設定」に着目した2つの手法としてMBOとOKRがあります。これらの手法の本質は追跡、管理、生産性を評価します。
2つのビジネス手法について
MBO(目標管理)は目標指向のマネジメント手法であり、組織の事業目標やミッションの達成につながる従業員の目標・KPIを設定します。従業員のパフォーマンス評価をする方法にOKR (Objectives and Key Results)があり、OKRはMBOから発展した手法で目標や戦略がより明確で細分化されているのが特徴です。組織全体で目標を共有し、目標達成指標を意識しながらそれぞれが優先事項を明確にして業務に取り組みます。個々の目標が結果につながる業務連携を生み出し、チームの垣根を越えて迅速なコミュニーケーションが可能となり、生産性の効率化に繋がります。
OKRの下で目標を設定する時、個人が何を成し遂げて、どの地位に行きたいのかを問いかけます。例として、あなたが販売している商品で業界のリーディング会社と認知されることかもしれません。あなたが顧客サービスのリーダーになって、ブランドとしての知名度が上がる。若しくは顧客がトップブランドを思い浮かべた時にあなたが提供している商品を思いつく事かもしれません。
その後、主要な結果 (Key Results)を明確にします。それにより、目標達成への方向性が分かります。
例えば、業績やマーケットシェアを〇%上げる、顧客サービスの向上・返答時間のスコアを上げる、ブランド知名度のアップ等があげられます。
MBOは何を成し遂げたいかどうかに焦点をおき、OKRは何を達成し、その為にはどのように達成すればよいかに着目します。
MBOとOKRの違いについて
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評価の頻度
MBOは簡単で分かりやすい目標を立てることで、従業員が目標の達成状況を確認できます。正式な評価の頻度は年1回のみです。
OKRの評価頻度は多く、月1回~四半期に1回と業務成果を確認する機会があります。従業員が企業に対する貢献度や業務の納得度をその都度確認でき、従来の目標管理方法と比べても相互的な信頼関係を強化できます。
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計測の仕方
MBOはより柔軟で制限がなく、組織の目標をもとに成果の質や量から判断する傾向があります。OKRはもっと正確に測定できる目的設定が必要で、明確に測定できることが重要です。
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共有される範囲
MBOはマネジャーと従業員との間で設定されており、セルフマネジメントできるよう個々の役割に応じて異なります。
OKRは組織全体で共有されていて、それによりチーム内・組織内の目的が定められております。
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目的
両方の手法は組織が望む結果を従業員が生み出すことにあります。
MBOは年次評価の対象になり、個別のパフォーマンス評価が人事考課に反映されるなど報酬を決定する上での判断材料になります。
OKRは直接的に報酬などに結びつかず、主に組織の生産性や効率性を高めることに焦点をあてております。
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求める結果
MBO手法では目標に対して100%成功しているかが決めての結果主義です。
その半面、OKRでは目標に対して60〜70%以上で達成としてあります。
そのため、業部やチーム内で目標を設定し、組織・個人が少しずつ目標に近づいているという実感が得られます。
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組織 vs チーム
MBOは個々の従業員に焦点があたり、どのように役目をこなしたか、どんな結果をチームにもたらしたかが重視されます。OKRは組織の目標がチーム・部署を越えてつながっているのが特徴です。
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人気と採用
MBOは主流のパフォーマンス評価手法として様々な企業で取り入れられております。OKRは組織の目標/目的を共有し、組織全体で目標を成し遂げるために個人が業務を遂行するので、組織/個人の生産性の向上に繋がる為、急激に人気が高まっております。