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データアナリストとは?仕事内容、年収、将来性や向いている人の特徴を解説

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ビジネスでの課題を解決する方法の一つに、データ分析があります。企業内外の膨大なデータを収集・分析し、現状を明確にすることで解決につなげます。その役割を担うのが「データアナリスト」です。 本記事では、データアナリストの仕事内容、年収、キャリアパスなど、基本知識をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
近年、ビッグデータや人工知能などに注目が集まっています。各業界・企業においても、データ活用が活発に進んでおり、今後もデータアナリストの活躍が期待できるでしょう。 IT専門調査会社のIDC Japan 株式会社が2024年3月に発表した内容によれば、国内のビッグデータ・アナリティクス市場の支出額は、2022年~2027年で年間平均14.3%の成長を続け、2027年には3兆541億円に達すると予測されています。 ロバート・ハーフ・ジャパンのエンタープライズ・データ部門のディビジョンディレクターであるロッコ・ソンは、「近年、データ活用の重要性が高まり、データアナリストの需要はますます拡大しています。特に、IT業界だけでなく、小売業や医療など、あらゆる業界でデータ分析の専門家が求められています。国内のビッグデータ・アナリティクス市場は今後も高い成長が見込まれており、データアナリストの活躍の場は広がるでしょう。」と述べます。
データアナリストとは、ユーザーデータや実績データなど企業内部のデータと、社会情勢や競合の動きなど外部のデータを収集・分析し、企業の課題解決を提案する職種です。例えば、「ある年齢層の顧客を増やしたい」「どのようなPRをしたら効果が出るのか」などの課題を解決するために、過去のデータを整理し関連する要素を見つけ出します。分析力や論理的思考力はもちろん、プログラミングスキルも必要です。 データアナリストは「コンサル型」と「エンジニア型」に分かれます。データアナリストとして求められる役割は企業によって異なるため、一人で両方の業務を兼任する場合もあります。
コンサル型データアナリストは、分析結果から得た情報をもとに仮説を立て、クライアント企業の課題解決を提案することが主な仕事です。データ収集と分析の他、レポート作成やプレゼンテーションを行うこともあるため、分析結果をわかりやすくまとめ論理的に伝える力が求められます。コンサルティングファームやマーケティング会社を中心に活躍しています。
エンジニア型データアナリストは、収集したデータから効率よく分析できるよう分析システムを構築することが主な仕事です。分析用にデータを統合したり、分析プロセスを自動化したりします。他にも、前段階としてのデータの収集・分析や、データセキュリティの確保なども行います。自社メディアやWebポータルサイトを運営している企業などで活躍しています。
データアナリストは、企業内外のデータを収集・分析してクライアントの課題要因を導き出し解決策を提案する、クライアント寄りの職種です。データを可視化するためのExcelやBIツールのスキル、プレゼンテーション力などが求められます。 一方データサイエンティストは、企業内外のビッグデータの中から課題解決に必要なデータを抽出し、予測モデルや分析モデルを構築する、システム寄りの職種です。機械学習(AIがデータから自動的に分析結果を導く)や、大量データの高速処理のスキルが求められます。 データアナリストとデータサイエンティストはいずれもデータを分析するため、統計学やプログラミングの知識が必要ですが、データサイエンティストのほうがより高い技術力が要求されるのが相違点です。企業によっては、データアナリストとデータサイエンティストの明確な線引きがされていない場合もあります。
データアナリストの仕事内容は、大きく分けて以下の3つに分かれます。
まずはビジネス課題を理解することです。クライアントの話に耳を傾け、課題の背景にどのようなことが関連しているか予測します。そして、どのようなデータが必要か、どのように分析するか企画立案します。 例えば、売り上げの低迷が課題であれば、顧客の購買行動や販売データを分析します。また、法律の改定や競合の動きなど、外部の要素を考慮に入れることも必要です。企画を立てたら、チーム体制を作りスケジュールを組みます。
立案した企画に基づき、チーム内の役割に応じてデータ収集します。収集したデータは、データ形式を統一するなどして分析しやすいように整えます。 データ分析の手法は、統計分析、機械学習、データマイニングなどさまざまです。プログラミング言語(JavaやHadoopなど)やWebアクセス解析ツールを使用する場合もあります。高い技術力が必要な場合は、データサイエンティストに分析モデル構築を依頼します。
分析結果をまとめるときのポイントは、誰が見てもわかるよう工夫することです。グラフや表などを用いて可視化すると良いでしょう。また、分析結果からビジネス課題に沿った示唆を導き出すことが最も重要な部分です。箇条書きでまとめたり専門用語をできるだけ避けたりすることでクライアントの理解が深まり、解決案に説得力が出ます。
ロバート・ハーフの自社データでは、データアナリストの平均年収は750万〜1,350万円です。 年収が2,000万円を超える求人情報もあり、スキルや経験年数によっては高い年収が期待できます。 以下に関連職種の平均年収もご紹介しますので、参考にしてみてください。

職種

経験値が浅い場合

平均的な経験値の場合

優れた経験値がある場合

データエンジニア/アーキテクト

700万円

900万円

1,200万円

データサイエンティスト

750万円

1,050万円

1,350万円

データサイエンスマネージャー

1,050万円

1,350万円

1,550万円

最高データ責任者(CDO)/アナリティクス責任者

1,400万円

2,250万円

3,000万円

以下で、データアナリストの具体的な求人例を紹介します。

職種

ITビジネスアナリスト

想定年収

800万~1,100万円

職務内容

  • 商品・サービス企画をサポートするITソリューション開発の主要窓口となる。
  • 製品部門、営業部門、業務部門と協力し、新製品や新サービスのITソリューションを提案する。
  • リリース後のプロダクトオーナーとして、ビジネス部門からのフィードバックを評価し、プロジェクトのKPIを確実に達成する。
  • ビジネス部門とITチームの両方からの製品改善要求を管理し、バックログ項目として整理する。
  • ステークホルダーとのコミュニケーションをリードし、バックログ項目に優先順位を付け、製品/サービスの価値を高め、ビジネスの成長を促進するためのアクションプランを策定する。
  • ステークホルダーと協力し、新しいイニシアティブのITビジネスケースを作成し、スコープと実行計画を定義し、プロジェクト実行の承認を得る。
  • ITデリバリーチームリーダー、UXチーム、データサイエンスチームと協力し、要件を確定し、アーキテクチャとソリューションの方向性を調整する。

応募資格

  • 部門横断的なシステムビジネス分析の経験
  • エンドユーザーおよびデータドリブンな考え方
  • プレゼンテーション能力
  • 論理的思考と問題解決能力
  • 日本語 ネイティブレベル / 英語: 中級レベル
  • IT基幹システムプロジェクト(ERP、勘定系システム等)の経験者

勤務地

東京23区

データアナリストに必要なスキルは、以下の4つです。
データアナリストは、データを分析し、その結果をもとに課題解決に向けて提案します。そのため、データから課題を見つける分析スキルは必須です。 統計学の基本概念や、データの種類と分析手法、SQLなどを用いたデータベースからのデータの抽出などのスキルを身につけておきましょう。Google Cloud(通称:GCP)やAmazon Web Services(AWS)といったクラウドサービスも分析に活かせるため、慣れ親しんでおくと良いです。
課題解決に向けて提案するとき、論理的に物事を考え、解決策を導き出すことが重要です。根拠がないと、説得力のない解決策になってしまいます。思い込みは捨て、収集した情報をもとに立てた仮説を検証し、解決策を導き出します。 また仮にしっかりとした根拠があっても、順序立ててわかりやすく説明できなければ、相手に伝わりません。そのため、物事を体系的にまとめ、論理的に説明できる力も必要です。
データアナリストは、統計学や機械学習などを利用して、データを分析します。高度なデータ分析を要する場合はJavaやHadoop、Python、Rなどのプログラミングスキルも必要です。 プログラミングスキルがあれば、以下のことができます。 大量のデータの前処理の自動化 高度な予測モデルの作成 APIを使ったデータの自動収集 プログラミングスキルは、専門性が高いものは必ずしも必須スキルではありませんが、対応できる仕事の範囲が広がります。
データアナリストはクライアント企業から課題を聞き出したり、分析結果を伝えたりする業務があるため、コミュニケーションスキルが必要です。相手の話に耳を傾けることで信頼関係が生まれ、クライアントから分析に役立つ情報をさらに得られるかもしれません。 また、分析結果が伝わるよう、専門用語をできるだけ使わずに説明することも大切です。分析結果を十分に理解できれば、クライアントは自信を持って意思決定に踏み切ることができます。
データアナリストの仕事で役立つ資格は、以下の4つです。
統計検定®は、統計学に関する知識・活用力を測る全国統一試験です。日本統計学会によって認定されています。データアナリストにおいて、統計学の知識は欠かせないため、取得しておいて損はないでしょう。 レベルは1級~4級(準1級を含む)の5つです。難易度の目安としてそれぞれのレベルに適したスキルをまとめました。なお、データサイエンティストに関する試験(データサイエンス基礎・発展など)もあります。

等級

スキル

1級

実社会における様々な分野におけるデータ解析のニーズに応えるための基本的な能力がある

準1級

実社会の様々な問題に対して適切な統計学を応用できる

2級

大学基礎科目レベルの統計学の知識が身についている

3級

高等学校の数学Ⅰの「データの分析」に値する統計内容の知識と実際にそれらを身近な問題解決に活かすことができる統計的問題解決力が身についている

4級

世界中の小中学生が学ぶ、統計表やグラフ、調査・実験、確率の基礎と活用の知識が理解できている

OSS-DB技術者認定試験は、オープンソースデータベース(OSS-DB)の設計・開発・運用に関する知識と技術力があるIT技術者であることを認定する試験です。特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが認定しています。 以下2つの認定があります。 データベースシステムの設計・開発・導入・運用力があることを認定する「OSS-DB/Silver」 大規模データベースシステムの改善・運用管理・コンサルティングの能力を認定する「OSS-DB/Gold」 2023年においてOSS-DB/Gold技術者認定取得者を多く輩出している企業は、「富士通株式会社」「株式会社アシスト」「株式会社エヌ・ティ・ティ・データ」です。OSS-DBの技術者認定を受ければ、PostgreSQLの技術力が証明され、キャリアアップに役立つでしょう。
ORACLE MASTERは、Oracle Databaseの基礎知識や管理スキルを証明する資格です。上からPlatinum・Gold・Silver・Bronzeの4つのレベルがあります。特にデータアナリストにおすすめなのは、ORACLE MASTER Silver SQLです。世界中で使われているデータベース言語であるSQLの知識力を証明できます。 ORACLE MASTERの資格は約28万人のエンジニアが取得しています。Silver以上の資格は対応するグローバル資格も得られるため、国内だけでなく海外にもスキルを証明できることが魅力です。
データベーススペシャリスト試験は、IPA情報処理推進機構が実施している試験の1つで、データベースの企画・開発・運用・保守などに関する知識力や技術力を証明する試験です。 専門性の高いスキルを証明できますが、国家試験のため難易度は高く、令和5年度秋期の合格率は18.5%でした。平成21年度春期から令和5年度秋期まで、計15回の平均合格率は16.4%です。
データアナリストに向いている人の特徴は、以下の4つです。
データアナリストは名前の通りデータを扱う仕事なので、数字やデータを扱うことが得意な人に向いています。複雑なデータの中からパターンを見つけることに長けていれば、より正確で信頼性の高い分析結果を導き出せるでしょう。
データアナリストの分析結果は、企業戦略や販売計画などの意思決定に使用されます。そのため、数字やデータが正確でなければなりません。一つひとつの作業が正確であり、ミスが生じていないかセルフチェックを怠らない几帳面で正確に作業できる人におすすめです。
データ分析の方法は日々変化しています。そのため、新たなデータ分析法に興味を持ち、その技術を取り入れようとする学習意欲の高い人がデータアナリストに向いていると言えます。また、どのデータとデータを組み合わせるとクライアントの課題が浮かび上がってくるか、パズルを組み合わせていくような作業に熱意を持っていることも仕事に活かせるでしょう。
データ分析はチームで行うケースが多いため、協調性を持ってコミュニケーションを取れる人に向いています。自ら出したデータの分析結果にこだわりすぎることなく、メンバーの意見に耳を傾けながら、より論理的な分析を目指す姿勢を持つことが大切です。 データアナリストは、クライアントの課題を解決するためにデータ分析をします。数字の世界と現状の両方をバランスよく把握し、クライアントをサポートする意識を持つことが、データアナリストの仕事には必要です。
データアナリストのキャリアパスとして、以下の2つを紹介します。
データアナリストに引き続き現場で活躍したい人は、データーサイエンティストとしてのキャリアパスがあります。分析システムの構築に関わるため、データアナリストと比べて高度な数学や物理学の知識・知見を求められるケースが多く、ITスキルにさらに磨きをかけたい人におすすめです。 データアナリストの仕事の領域と重なる部分があるため、それまでの経験を活かすことができます。仕事へのイメージと実際の内容のギャップも少なく、比較的スムーズに始められるでしょう。
管理職として分析チームをまとめるマネージャーとしても活動できます。仕事全体の流れを見ながら、誰とでも必要なコミュニケーションがとれる人におすすめです。 主な役割として、データ分析の対象を決めたりスケジュール管理をしたりするなどしてチームをまとめ、クライアントとの橋渡しを行います。データ分析の過程で発生する疑問や課題を対処することも、マネージャーの役割です。 コンサルタントの経験があれば、フリーランスとしてのキャリアパスもあります。自ら会社を興すことも一つの手です。
今回は、データアナリストの仕事内容や年収、将来性などをご紹介しました。データアナリストになるには、統計学の知識やプログラミングスキル、コミュニケーションスキルが必要です。関連資格を取得すれば、優位に就職活動を進められるでしょう。 数字やデータに強く、その力を企業のサポートに活かしたい人は、ぜひ目指してみてください。