コロナ禍の影響によって急速に普及した在宅勤務は、現在も多くの会社で取り入れられています。在宅勤務で通勤時間がなくなれば、ストレス緩和や空いた時間を趣味や勉強の時間に費やすことができるので、多くの人にとって魅力的な制度と感じられるでしょう。
しかし、実際に在宅勤務をしている人の声を聞くと「在宅勤務ではやる気が出ない」と感じている人も少なくありません。
在宅勤務でやる気が出ないときはどうしたら良いのでしょうか。今回は在宅勤務で高い生産性を維持するためのアドバイスを7つご紹介します。
在宅勤務で高い生産性を維持するための7つのアドバイス
1. To Doリストを作成する
業務開始前にその日のTo Doリストを作成し、重要なプロジェクトを中心に優先順位をつけていきます。リストを作成したら、開始予定時間と見込み時間を設定しましょう。
一度立てたToDoリストは、途中で変更しないことを原則とし、計画通りに進めることを意識します。その日の業務が終わったら、ToDoリストの中で出来たこと・出来なかったことを振り返ります。計画と反省、改善を行うことで、集中力が高まった状態で仕事に取り掛かれるようになるでしょう。
2. 休憩時間を入れる
一日のスケジュールに休憩時間を設定し、その時間は仕事の手を休めましょう。休憩を取らずに仕事に取り組んでも、集中力を保てず業務生産性を下げてしまいます。集中力や思考力が低下した状態で身体にムチを打っても、かえってミスが増えてしまい、時間が無駄に掛かってしまいます。
目安として1時間ごとに5分程度の休憩は集中力の維持に役立ちます。会議や打ち合わせがなければ、なるべく毎日同じ時刻に休憩を入れて、軽くストレッチをしたり、好きな音楽を聴いたりするなどリフレッシュすると良いでしょう。
3. 上司・同僚と雑談する
仕事とはいえ一人で自宅にいると、孤独を感じることや不満や悩みを誰にも打ち明けられず、強いストレスを感じることがあります。また社員同士のコミュニケーション不足は、エンゲージメント(帰属意識)の低下を招く要因にもなりえます。
在宅勤務でもエンゲージメントや連帯感を保つために、オンラインミーティングやランチ会を定期的に企画することが有効です。また、マネージャーは現在の事業の方向性や、チームのビジョンを改めてメンバーに発信し、チーム内の目線を合わせることも大切です。他にも各メンバーがどんな取り組みを行っているか共有したり、チームのベストプラクティスを称賛したりするなど肯定感を高めることも有効です。
その他、チームの士気を高める方法はこちらをご覧ください。
4. 上司と1on1ミーティングを行う
オフィス勤務の場合は上司がいるため自然と緊張感が生じますが、在宅勤務の場合はどうしても緊張感が低くなりがちです。ある程度緊張感があったほうが、集中力が高まり業務生産性の向上につながります。
そこで、上司に1on1ミーティング(個人面談)の時間をもらうことがおすすめです。上司が自分に期待していることが理解できれば、自分がやるべきことが明確になり、期待に応えるために日々のタスクを管理できるようになります。
特に在宅勤務が開始したら、最初の数週間は上司と多めにコミュニケーションの時間をもらうようにお願いしましょう。上司もメンバーが在宅で問題なく業務に取りかかれているか不安に感じるものです。在宅勤務で十分なパフォーマンスを発揮できることを上司が理解すれば、今後も在宅勤務は定着するでしょう。
特別話すことがない場合は、その日の予定を話したり、完了した業務を報告したりするだけでも十分です。業務中に困ったことや改善して欲しいことがあれば、それも伝えると良いでしょう。上司との面談を上手く活用することで、自分自身もやるべきことが明確になり、タスクの抜け漏れや進捗の遅れを防ぎます。
5. 作業環境を整える
パソコン、マウス、キーボード、マイク、サブディスプレイなど、仕事に使用する機器は最新のものにし、在宅勤務の作業環境を快適なものに整えることも大切です。仕事を効率的に進める上で、必要だと感じるものは上司に相談し、会社から支給してもらえないか交渉してみても良いでしょう。
また、オンラインチャットツールを使えば、メールよりも簡単にコミュニケーションを取れますし、オンライン上での共同作業を可能にするツールもたくさんあります。こうしたオンラインツールを使えば、在宅勤務でも孤独感を持たずに、チームに貢献することができます。
注意点としては、新たにオンラインツールを導入する際は、そのツールのセキュリティ対策に問題がないか確認しましょう。特に従業員がプライベートのデバイスで社内ツールを利用する「シャドーIT」が発生しないように、マネージャーはアカウント管理を徹底すべきです。
6. 自宅内に業務スペースを確保する
自宅内に業務に集中できるワークスペースを確保することが大切です。ペットやテレビなど、集中を妨げるものを視界に入らないようにして、プライベートと切り分けましょう。
またプライベート利用のスマートフォンも、電源をオフにするか物理的に手が届かない場所に置くなど工夫しましょう。在宅勤務は誘惑が多いため、極力プライベートの物が視界に入らないように、仕事に集中できる環境を意図的に作ることが大切です。
また、日中にチャイムが鳴る宅配便なども集中力の妨げになります。可能であれば、玄関前に置き配ボックスを設置したり、受け取りを就業後にしたりするなど、集中力を保つ工夫をしましょう。
その他、デジタルデバイスに邪魔されない仕事術はこちらをご覧ください。
7. 仕事とプライベートの線引きを設ける
在宅勤務でやる気を保つためには、あらかじめ仕事とプライベートの線引きを設けることが大切です。仕事の手を止めリラックスする時間を設定し、仕事とプライベートを切り分けるようにしましょう。
また、家族がいる場合は、在宅勤務中は仕事に集中しなければならないことをあらかじめ伝え、理解を得るようにします。在宅勤務とはいえ、自宅にいることで「家事をしておいて欲しい」「配達を受け取って欲しい」と思われるものです。
在宅勤務であっても就業時間中はプライベートを持ち込まず、家庭の用事は休憩時間中や就業後にまとめましょう。
その他、家族がいる状況での在宅勤務の工夫についてはこちらをご覧ください。
在宅勤務はオフィスとは異なり上司や同僚の視線がないため、自由な環境です。しかし、その環境に甘えて仕事が疎かになってしまえば、いつまでもパフォーマンスを発揮できず、評価も上がりません。
在宅勤務では、セルフマネジメントが非常に重要です。在宅勤務時の就業ルールの設定とその日の行動計画を立てて、それらに従うようにしましょう。
まとめ
今回は在宅勤務でやる気が出ない場合の対策について、具体的なアドバイスを7つ紹介しました。在宅勤務は通勤時間がなくなり、仕事とプライベートの両立にも最適です。浮いた時間で仕事に役立つ勉強や資格取得に励めば、キャリアアップにも繋がるでしょう。
しかし、在宅勤務は誘惑も多いため、プライベートとの線引きが難しく、かえって生産性が低下する人も珍しくありません。むしろ人によってはオフィスに出勤した方がモチベーション高く働ける可能性もあります。
在宅勤務があることを条件に転職先を探す際は、自分自身にセルフマネジメントスキルが備わっているかどうか、周囲に人がいなくても孤独を感じずに仕事に邁進できるかどうかも含めて検討しましょう。
マネージャーの在宅勤務社員の管理方法はこちらをご覧ください。
その他、在宅勤務に関するアドバイスなどをお求めの方は、ぜひロバート・ハーフのキャリアアドバイザーまでご相談ください。貴方のこれまでのキャリアやアセスメントの結果などを踏まえて、最適なキャリアアドバイスをご提供いたします。