その他のお役立ちじょう
一次面接・二次面接で高評価を得ていても、必ず最終面接を通過できるとは限りません。そのため、しっかりと対策しておくことが重要です。とくに最終面接は、社長や役員が面接官を務めるケースが多いため、経営層ならではの視点から仕事に対する意欲がチェックされます。
本記事では、転職者向けに最終面接でよく聞かれる質問と回答例、逆質問について解説します。
最終面接(社長面接・役員面接)とは?
最終面接は、一次面接・二次面接の結果をもとに、応募者を採用するか見極める最後の面接です。一次面接・二次面接とは違い、社長や役員など会社のトップが面接官になります。一次面接・二次面接との違いやチェックされるポイントについて見ていきましょう。
一次面接・二次面接では、人事や現場の管理職などが面接します。労働条件の確認や即戦力として働けるスキルの有無などをチェックします。
一方、最終面接の面接官は社長や役員など、採用の決定権を持った経営層です。経営者目線で入社意欲や企業とのマッチ度、長期的に自社に貢献できる人材かどうかを見極めます。
そのため、最終面接では、キャリアビジョンや入社後に実現したいことなどが質問され、どのように企業に貢献できるかが見られています。つまり、能力以上に仕事への本気度が問われる場なのです。
最終面接時間は企業によって異なります。最終的な意志確認をしたい場合は10~20分と短く、さらに応募者の判断材料が必要な場合は30分~1時間ぐらいが目安です。
| 最終面接
| 二次面接
| 一次面接
|
面接官の地位
| 社長・役員
| 現場の管理職
| 人事(採用担当者)
|
着眼点
| ・長期的に自社で活躍・貢献できるか
・入社意欲が高いか
・社風に合っているか
・キャリアビジョンがあるか
| ・自社の求めるスキルがあるか
・現職の社員とうまくやっていけそうか
| ・基礎能力(コミュニケーション能力など)があるか
・労働条件が合うか
|
最終面接はほぼ合格?通過率は?
最終面接の通過率は、一般的に50%前後といわれており、ほぼ合格とは言い切れません。一次面接・二次面接で高評価を得ていても、最終面接で企業文化や社風と合っていないと判断されれば採用を見送られる可能性があります。
また、最終面接では「第一志望ですか?」「事業をどのように成長させたいですか?」など、入社意欲や将来性についての質問が多いです。長期的なビジョンが描けていなかったり、熱意が伝わらなかったりすれば、評価が低くなってしまいます。
最終面接は一次面接・二次面接の総括でもありますので、一次面接・二次面接で話した内容と整合性が取れるように気をつけましょう。
事前準備でしっかり対策しよう
最終面接では面接官のチェックポイントが異なります。そのため、一次面接・二次面接で高評価を得ていても、事前準備を怠ってはいけません。以下の3つのポイントを押さえて対策しましょう。
一次面接・二次面接の回答をおさらいしておく
その他のお役立ちじょう
最終面接では、一次面接・二次面接で話した内容と整合性が取れていることが重要です。最終面接でも一次面接・二次面接と同じ質問をされる場合がありますが、答えは同じような内容になっても構いません。内容に矛盾が生じないことが大切です。内容を深堀される場合もあるため、何を話したかもう一度思い出した上でなぜ他の会社ではなくこの会社を志望するのかなど、最終面接用にブラッシュアップしてください。
細部まで企業研究を深める
最終面接の面接官は、社長や役員などの経営陣です。事業内容の展望などについて詳しく質問される可能性があります。細部まで企業研究を深めておくことが大切です。
採用ページや経営理念、IR、プレスリリース、事業計画などをチェックし、多角的に情報を集め、業界での企業の位置を把握しておきましょう。
将来のビジョンが語れるように準備する
最終面接では、将来のビジョンについて聞かれることが多いです。単に「〇年後にこうなりたい」と伝えるのではなく、会社への貢献を交えて語るのがポイントです。
例えば、「入社して3年後にはプロジェクトリーダーになり、過疎化が進む農村地にまでプロジェクトを広げていきたいと考えております。御社の理念のもと、食を通じて社会貢献できたらと思います」のように、話せると好印象を得られやすいです。
将来のビジョンを語る場合は、一次面接・二次面接で話した内容と同等のものではなく、より詳しく具体的に話せるようにしておきましょう。
最終面接でよく聞かれる質問・回答例
最終面接でよく聞かれる質問・回答例について見ていきましょう。
自己紹介
面接での答え方【自己紹介/自己PR/志望動機/短所など】
【質問例】
自己紹介してください。
【回答例】
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。〇〇(自分の名前)と申します。
現在〇〇〇株式会社のIT営業職にて5年間、勤務しております。
新規顧客の開拓を担当しており、顧客一人ひとりに細部までヒアリングすることを強みとしています。
入社2年目以降から毎年、売上目標120%以上を達成しております。これまで培ったIT業界の知識と営業スキルを生かし、御社でも活躍したいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
【ポイント】
自己紹介は一次面接や二次面接でも行っているかもしれませんが、最終面接で初めて会う面接官もいるため、改めて自身を説明する場が設けられる場合があります。お礼と氏名を述べたあとに略歴やアピールポイント、入社意欲を伝えるのが一般的な流れです。
自己紹介は最初によく聞かれる質問です。詳しく説明する必要はなく、自分がどのような人物かをシンプルに伝えましょう。
仕事で大切にしていること
面接での答え方【自己紹介/自己PR/志望動機/短所など】
【質問例】
あなたが仕事において大切にしていることはありますか。
仕事で重きを置いていることはありますか。
営業職としてどのような姿勢を持って働くことが大切ですか。
管理職として重視していることはありますか。
【回答例】
私がプロジェクトリーダーとして大切にしてきたことは、チームメンバーの感情的な部分に共感しつつ、具体的な解決策を導くことです。
システム構築における技術面での不安や、メンバー間のトラブルなどに耳を傾けることは、チームメンバーが安心して働き、自身の力を発揮するために必要なことと考えております。しかし、それだけでは解決になりません。チームメンバー自身にも、感情を吐き出すだけでなく最終的には今後どうしたらいいかに目を向けてもらうようにしています。
感情に寄り添いながら、だれでも納得できるような論理的な判断をくだすことで、チームを導くことを心がけています。
【ポイント】
結論のあとに、具体例を説明することで面接官にわかりやすく伝わります。また、自分が大切にしていることが、応募先の価値観や社風に合っているか確かめましょう。
キャリアビジョン
面接での答え方【自己紹介/自己PR/志望動機/短所など】
【質問例】
当社に入社した後、どのようなキャリアビジョンをお持ちでしょうか。
当社に入社してから実現したいことはありますか。
入社して5年後や10年後にどのようになっていたいですか。
【回答例】
前職でプログラミングの基礎を身につけましたので、入社後は実務を中心に実績を積み上げたいと思います。そして3年後を目途に、プロジェクトリーダーを目指したいと考えております。
これまでに何人かのプロジェクトリーダーの下でシステム構築に携わってきましたが、リーダーは現場を大きく左右する存在であると認識しております。チームメンバーを守ることが、質の高いシステム構築につながることを実感してきました。
顧客に高品質なサービスを提供するためにも、チームメンバーそれぞれの力を引き出し、チームをまとめあげる立場になれたらと思っております。10年後にはプロジェクトマネージャーとして、プロジェクトリーダーを支える存在になりたいです。
【ポイント】
面接官はキャリアビジョンを聞くことで、応募者の入社意欲の高さに注目しています。3年後・5年後・10年後など中長期的なキャリアビジョンを立てておきましょう。
また、応募者のキャリアビジョンから、業界や職種の理解度を見ている場合もあります。企業研究から見えた業界のビジョンと、自分のやりたいことを照らし合せてみるとよいでしょう。これまでのスキルや実績、志望動機などと矛盾しないことも大切です。
事業をどのように成長させていきたいか
面接での答え方【自己紹介/自己PR/志望動機/短所など】
【質問例】
将来この事業をどのように成長させていきたいですか。
これまでにあなたが培ったものを生かして、事業をどのように成長させるかお答えください
【回答例】
この事業を成長させるためには、日本に住む外国人に向けたサービスの向上が必要です。少子化を迎え、日本に来る外国人は年々増えています。この業界で新たなターゲットになると考えております。
具体的には、アプリの普及です。日本国内で使われているアプリの翻訳機能を充実させます。もしくは、海外でよく使われているアプリと連携して、日本に来たらすぐに使えるようなシステムを構築します。
ターゲットを外国人に広げることで、「人とつながり共生する」という御社の理念の実現にもなると思っております。
【ポイント】
面接官は、応募者が長期目線で事業を捉えているかどうかを確認することで、長期的に活躍できる人材か見極めています。応募先のホームページなどで情報収集し、業界知識や業務内容について学んでおきましょう。
転職活動の状況
面接での答え方【自己紹介/自己PR/志望動機/短所など】
【質問例】
当社以外にも応募している企業はありますか。
当社以外の転職状況はいかがですか。
当社が第一志望ですか。
【回答例】
現在は御社以外にもITコンサルタント会社2社の選考を受けております。1社は二次面接まで進み、もう1社は最終面接の結果を待っている状況です。
しかし、御社の経営戦略に共感し、風通しのいい社風に魅力を感じており、第一志望は御社です。
【ポイント】
他の企業の選考を受けていたとしても、同業界や同職種で活躍したいという思いがあればマイナスにはなりません。会社名を出す必要はないので、正直に状況を伝えても差し支えないでしょう。
応募先が第一志望であれば、入社意欲をアピールしましょう。もし第一志望ではない場合は、面接の雰囲気などを含め総合的に考えるつもりであることなど、志望順位は決めていないことを伝える方法もあります。
最後に伝えたいことはあるか
面接での答え方【自己紹介/自己PR/志望動機/短所など】
【質問例】
最後に伝えたいことはありますか。
最後に一言お願いします。
最後に質問はありますか。
【回答例】
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。面接を通じて御社への入社意欲が高まりました。
風通しの良い社風だと存じ上げておりましたが、職場の様子をさらに詳しく伺うことができ、自分の成長につながる環境であると感じました。
御社に入社できた暁には、前職で培った分析力を生かし、即戦力として活躍できるように精進いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
【ポイント】
最後に何か伝える場合は、入社意欲や熱意、自己PRなどを補足でアピールしてください。「特にありません」「大丈夫です」など、何もアピールしないのはNGです。
「最後に質問はありますか?」と逆質問を促されることもあります。逆質問についてはこの後、詳しく紹介します。
逆質問の良い例・NG例
面接での答え方【自己紹介/自己PR/志望動機/短所など】
最終面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれることがあります。応募者から面接官への逆質問は入社意欲をアピールするチャンスです。しかし、的外れな質問をするとマイナスな印象を与えてしまうので、注意しましょう。
逆質問の良い例
面接での答え方【自己紹介/自己PR/志望動機/短所など】
【質問例】
入社後に一緒に働くメンバーの年齢層や特徴を教えていただけますか。
御社で成果を上げている方はどのような方でしょうか。
現在は〇〇事業に力を入れていると伺いましたが、今後の展望について教えていただけますか。
社員が交流できるイベントはありますか。
〇〇様(面接官の名前)から見て、御社の事業の強みはどのようなところですか。
御社で活躍するにあたり、〇〇様が必要だと思うスキルや資格を教えていただけますか。
【ポイント】
将来性や経営戦略など、経営層だからこそ聞ける内容を質問すると効果的です。企業のホームページで調べた内容について、具体的に質問しても良いでしょう。
また、面接官自身の意見を求めることで、印象に残りやすくなります。面接の冒頭に面接官が自分の名前を伝えることが多いので、覚えておきましょう。
逆質問のNG例
面接での答え方【自己紹介/自己PR/志望動機/短所など】
【質問例】
とくにありません。
企業理念を教えていただけますか。
〇〇についてもう一度説明していただけますか。
残業時間はどのくらいでしょうか。
年収交渉は可能でしょうか。
〇〇様にとって経営とは何でしょうか。
【ポイント】
企業理念や売上など、企業のホームページを見ればわかる内容は避けましょう。また、抽象的すぎる質問も答えにくいためNGです。まだオファーが出ていない最終面接では、年収などについては聞かないほうが無難です。
一次面接がなく、いきなり最終面接の場合もある?
面接での答え方【自己紹介/自己PR/志望動機/短所など】
高い役職の募集には、面接回数が複数回である場合が多いですが、面接が一回のみの企業もあります。欠員の補充で即戦力を求めている場合などです。一回きりの面接だからといって、いい加減に採否を決めるというわけではなく、試用期間を設けていたり事前に実務スキルを確認したりするところもあります。
規模の小さい会社や応募人数の少ない会社のほうが、面接回数が少ない傾向にあります。面接回数が少ないと「すぐに内定が決まってラッキー」と思う方もいるかもしれません。しかし、入社後のミスマッチにつながりやすいため、注意しましょう。
最終面接のお礼メールは送った方がいい?
面接での答え方【自己紹介/自己PR/志望動機/短所など】
最終面接のお礼メールは、採用の合否には影響しないため必須ではありませんが、面接への感謝の気持ちや入社意欲を伝えるために送ると良いでしょう。タイミングは、基本的には当日か、遅くても翌日までに送りましょう。
最終面接の結果はどれくらいで来る?
面接での答え方【自己紹介/自己PR/志望動機/短所など】
最終面接の結果が来るまでの日数は、企業により異なります。早ければ当日ですが、2週間以内が目安です。結果が遅いから不採用とは限りません。面接の終わりに「〇日以内に結果をお知らせします」と面接官からお知らせがあった場合は、その日数を目途に待ちます。もし、「〇日までに結果を知りたい」といった希望がある場合は、面接時に伝えておきましょう。
まとめ
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最終面接の前に、一次面接・二次面接で話した内容を振り返っておきましょう。最終面接は、社長や役員が面接官を務めるケースが多いため、企業研究を深めることが大切です。逆質問の内容も経営理念や経営戦略など経営に関わる質問を準備するといいでしょう。
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