財務の仕事とは?
財務と経理の違いとは?
財務の主な仕事内容
財務の仕事のやりがい
財務の仕事に必要なスキル
まとめ
財務の業務は、複雑な数字管理や計算だけではありません。企業の経営に深く関わり、ビジネスの将来を左右する重要な役割を担っています。このブログでは、財務の仕事内容、経理との違い、仕事のやりがい、必要なスキルなどを詳しく紹介します。
財務は、企業の将来における資金の流れを戦略的に管理・計画する役割を担っています。企業の経営に必要な資金を集め、その使用方法を計画・管理することに重点を置いていており、財務戦略の立案、予算管理、資金調達、資産運用などが含まれます。これらは企業全体のお金の流れに気を配り、企業経営の根幹に関わるものです。
例えば、製造や販売を行う企業が新商品の開発を計画している場合、財務部門は新商品の開発・生産・輸送・管理を含む一連の事業に必要な資金額を計算します。そして、その調達方法や融資の受け方などについて計画を立て、実際に銀行や金融機関などから資金調達を行い、調達した資金を管理します。また、予算の振り分け、パッケージデザインやマーケティングにかかる費用の計画なども財務の役割です。このように、財務は企業の未来に対する計画を立て、実行まで行う仕事であり、経営や企画に近い役割を担っています。
また、経理が作成した決算書を分析し、企業の財務計画を立案するなど、企業経営の根幹に関わる業務も行います。企業の全体的なお金の流れを見渡す業務は、運転資金や予算不足を防ぎ、倒産の危機を回避するのに不可欠です。
このように、財務の仕事は単なる数字の管理だけではありません。経営と深くかかわり、企業の成長に大きく寄与するため、非常に重要な役割を果たしています。現在、財務にかかわる人材は不足しており売り手市場が続いています。多くの企業が高度な専門知識と経験を有する専門家を求めており、特に35歳以上のミドル・シニア層の採用が増えています。転職を検討している財務分野の人材にとっては有利な状況と言えるでしょう。
経理と財務はどちらもお金の管理に関わる業務ですが、その目的と役割には明確な違いがあります。
経理は「過去会計」であり、過去の活動から生じたお金の流れを管理します。これには日々の取引の記録、伝票や元帳の作成、試算表の作成、決算書の作成など、既に起きた事象に基づく現状のお金の動きを記録し、把握する業務が含まれます。
一方、財務は「未来会計」として、将来動かす予定の資金を管理します。これには資金調達、予算管理、金融機関との交渉など、企業の未来の活動に向けたお金の計画や管理、仕組み作りが含まれます。財務は、経理と同じバックオフィス系の職種でありながら、企業の経営計画の立案にも密接に関与します。中小企業では一人で経理と財務の両方を兼任することもありますが、一般的には専門部署や専任の担当者がこれらの業務を分担しています。
財務の仕事は多岐にわたり、具体的には以下のような主要業務があげられます。
財務戦略の立案: 資金をどこからどのように集め、どのように使うかを計画します。経営者と連携し、現実的で効果的な財務戦略を立てる必要があります。予算編成・管理: 資金ニーズに基づいて策定された財務戦略に従って予算を各部署に配分し、継続的に管理します。資金調達: 事業拡大や新商品の開発などに必要な資金の外部調達を行います。これには銀行融資の交渉や株式・社債の発行などが含まれます。資産運用: 余剰資金の運用も重要な業務です。投資やM&Aを通じて企業価値を高める計画を立てます。IRや監査対応: 投資家へ経営や財務情報の説明(IR)を行うほか、外部機関による決算書類の監査対応も行います。内部統制(ガバナンス): 企業の事業活動にかかわる全従業員が遵守するべき社内ルールや仕組みを築きます。社内ルールや仕組みを厳守し、コンプライアンス違反を防ぐための管理体制を整えることも財務の重要な業務です。
これらの業務は、企業の財政健全性と成長を支えるため、財務部門の専門性と効率的な運用が求められます。
財務の仕事は、企業の将来の成長に深く関与するものです。自社の業績への貢献度が高く、大きなやりがいを感じられるポジションであり、特に以下の点にやりがいを感じることができます。
経営への深い関与: 財務部門は資金の調達や運用、予算管理などを通じて直接的に経営戦略に関わります。企業の将来を形作る上で中心的な役割を果たすことができるため、大きなやりがいや達成感を感じることができます。
市場価値の高さ: 高い専門性を要求される財務の仕事は市場価値が高く、多くの業界で活躍できる可能性があります。どの企業にも必要とされる職種であるため、多様なキャリアチャンスがあります。
多岐にわたるキャリアパス: 財務のキャリアパスは多岐にわたり、経営企画、管理部門の責任者、CFO(最高財務責任者)など、さまざまな道に進むことが可能です。また、専門性を活かして独立起業する選択もあります。
財務分野のプロフェッショナルは専門性を活かして重要な業務を担うことができるので、多くのやりがいを感じられます。また、幅広い業界や職種へのキャリアパスが考えられる魅力的な仕事と言えます。
財務の仕事には、特定のスキルセットが必要です。これらのスキルは、財務部門の日々の業務遂行に欠かせないものです
簿記・会計・金融の知識: 財務は日々の取引を正確に記録し、企業の財務状況を適切に管理する必要があります。これには、簿記や会計の知識が必要です。また、資金調達や資産運用の戦略を理解し実施するためには金融知識も非常に重要です。
法律の知識: 財務部門は法務部との連携を円滑に行い、法的なコンプライアンスを保つ必要があります。このため、財務部門で働くには、会社法や企業会計原則、法人税法などお金に関わる法律の知識が必須です。
基本的なPCスキル: 財務の業務では、Excelや会計ソフトを使用した書類作成が多く行われます。このため、基本的なPCスキルが求められます。
論理的分析力: 財務データを解析し、意味のある洞察を引き出すためには、論理的分析力が必要です。これにより、複雑な財務情報を理解し、効果的な戦略を立てることが可能になります。
コミュニケーション力: 財務部門は経営陣や他部門と頻繁に連携する必要があるため、効果的なコミュニケーション能力が欠かせません。財務情報を分かりやすく伝え、共有することが重要です。
プレゼンテーション力: 財務の成果や戦略を経営陣やステークホルダーに明確に伝えるためには、優れたプレゼンテーションスキルが求められます。
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財務は単なる数字の計算や管理を超えて、企業の未来を形作る重要な意思決定に深く関わります。財務戦略の立案、予算管理、資金調達、資産運用などの業務は、企業の持続的な成長と安定を支える基盤を構築します。また、財務の専門家には経営企画、財務管理、CFOのポジションなど多様なキャリアパスが開かれています。高度な専門知識とスキルを身につけた財務プロフェッショナルは、多岐にわたる業界で価値を発揮し、企業の重要な資産となることでしょう。
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