会社を辞めると決意することは簡単だったとしても、退職願や退職届を封筒に入れて正式に提出するとなると、それほど容易ではないかもしれません。キャリアのどんな段階にある人にとっても、これは同じです。

長年のキャリア経験がある人にとってすら、これが難しいと感じられる理由はいくつもあり、特に日本ではそれが当てはまります。転職は以前に比べてはるかに一般的になりましたが、上司や同僚がどう反応するかが予想できないため、どうしても気後れしがちです。

退職願・退職届をなぜ直接手渡すべきか

このプロセスで孤立してしまうリスクを最小限に抑えるひとつの方法は、まず最初に上司に直接、退職の意向を伝えることです。それが礼儀であり、相手への配慮でもあります。正式に退職が受理されるまで、他の人にはこの話をすべきではありません。正式に受理された場合でも、自分からこのことを同僚に話して良いかどうかを上司に確認すべきです。

退職の意向を最初に上司に直接伝えたうえで、後日改めて、メールでフォローアップするのは、正当な進め方です。又、最後に上司に敬意を示すうえで、封筒に入れた退職届を両手で持って、恭しくお辞儀をしながら手渡すという行為が、良好な関係を保つうえで大きな効果を持つ可能性があります。実際、良好な関係の維持は、あなたの目標であるべきです。結局のところ、元上司からのちょっとした口添えが、あなたのキャリアを大きく前進させることもあるでしょう!

上司に伝えるミーティングをいつ設定すべきか

上司に伝えるベストのタイミングを、慎重に検討してください。配慮すべきことは3つあります。まずは、チームのこと。締切や納期に追われる繁忙期に差しかかろうとしていたり、何らかのイベントに向けた準備が進んでいたりするのであれば、その波が過ぎるまで待つのが賢明かもしれません。そのほうが、上司だけでなく、後に残されるチームにとってもありがたいものです。

また、もう少し個人的なレベルで、上司がどれだけ忙しいかも考えるべきでしょう。上司に重要なプレゼンが迫っていたり、チーム全体にはかかわらない他の締切を抱えていたりするのであれば、やはりベストのタイミングを考えるべきです。上司があなたの退職にどのように反応するかが分からない場合は、週の終わりにこのミーティングを設定すると良いかもしれません。そうすれば、オフィスから離れてこのニュースを受け止める時間ができます。

この最初のミーティングでは、退職の意向を穏やかに伝えるとともに、退職に際して必要となる事務的な手順も確認すべきです。会社によっては、退職届のテンプレートが用意されています。テンプレートがない場合は、何を記載すべきかを確認します。また、退職の日付を確認することも忘れてはなりません! この日付を退職届に記載する必要があるでしょう。

封筒に入れた退職願・退職届をどのように提出すべきか

退職願・退職届を作成したら、上司と二人だけで話せるミーティングをあらためて設定します。

このミーティングでは、少し時間を取って、上司の指導とサポートに対してお礼を伝え、またこの上司が採用してくれた上司だったのであれば、キャリアの機会を与えてもらったことへの感謝を伝えます。

このミーティングに長々と時間をかける必要はありませんが、以下のような詳細は確認しておくべきです。

  • あなたの業務を誰が引き継ぐか
  • 同僚や顧客との引き継ぎのミーティングをいつ行うべきか
  • 退職のことをあなたから同僚や顧客に伝えるべきか、または上司が自分で発表したいと考えるか
  • その他の重要な詳細すべて(例えば、クリエイティブ業界で働いているのであれば、ポートフォリオのサンプルをもらいたいかもしれません)

退職までの間にはさまざまな感情が湧くものですが、平静を保ってプロフェッショナルに徹するのが、良い評判を保つための最善の方法です。特に上司に退職願や退職届を提出する際は、落ち着いて、礼儀正しく、前向きに行動します。封筒に入れた退職願・退職届を両手で持って丁重に手渡せば、良い印象を残すことができるでしょう。

封筒の書き方

封筒の【書き方のポイント】を以下にまとめました。

【封筒の書き方のポイント】

<表面>

① 送付先の住所

右端から書き始めて、2行目から書き始めの位置を少し下がる。また横書きの場合、番地や階数などの数字は『漢数字』にします。

② 会社目と所属

送付先の住所の書き始め(1行目)よりも1文字分下げたところから書き始めます。文字が長くなるときは、部署と課を2行目に書きます。

③ 相手の役職と名前

封筒の中央に「役職名⇒名前」の順に記載します。役職名は小さく、名前は大きく書きます。

④ 進展

左下に赤字で『親展』と書きます。『親展』と書くことで、「封筒に書いてある人以外は開封しないでください」という意味で、他の人に開封されることであなたの退職が職場に広まらないための配慮になります。

⑤ 自分の住所と名前

裏面の左下に自分の住所、名前を記載します。

⑥ 〆

封の部分を糊付けして、上から「〆」と書く。〆は「封をした」という意味で、途中で他の人に開けられていないという証になります。

封筒への入れ方

【添え状と退職届を封筒に入れる】

「添え状」と「退職届の入った封筒」の2つを入れます。入れ方は、「添え状が前に退職届が後ろになる」ように入れます。添え状が前にあることで、退職届の文字が封筒から透けることを防ぎます。

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